「刺激、刺激しかない」欧州組に感化される久保建英が"18歳の誕生日"に語った本音

2019年06月05日 西川結城

「ちょっとフリーだったら、やや強引にでも(狙う)。海外ってこうなのかなと思います」

A代表初参戦の久保は、周囲から吸収するものが多いようだ。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 6月4日。日本代表で迎えた、18歳の誕生日。ひとりの大人として、久保建英はいよいよ世界の舞台に挑んでいく。
 
 初めての代表合流から3日目。久保が取材に応じた。この日の朝には、宿舎で先輩たちからお祝いの声をかけられたという。
 
「誕生日はいつも特別。特にどこだからというのはないですけど、でもこういう場所で迎えられるのは非常にうれしいですね」
 
 負けず嫌いで頑固。久保をよく知る人は皆、良い意味で彼についてそう表現する。あるインタビューでは自分のことを「生意気かもしれない」と話したことすらある。以前から「年齢でサッカーのことについて話されるのは好きではないです」とも語る。
 
 そんな久保が、大人の階段で言う最終段を上った。正真正銘、ここからは他と同様にひとりのプロ選手としてのまな板に乗る。移籍も解禁され、世界の基準ではもう青少年ではない。それは彼が望んでいた土俵でもある。
「これからは17歳と書かれることもないでしょうし、今日は18歳と0日目ですけど、363日目でも18歳。同じくくりだと思う。もう18歳が若くないみたいな感じですし、18歳でも試合に出る人は出ますし、出ない人は出ない。18歳の時点で試合に出られるからといって、22歳、23歳になった時に約束されていることは何もない。焦らなくてもいいと思いますし、結局年齢が上がったからといって、自分自身が変わることはないですね」
 
 いつも感じる。久保の発言、言葉にはしっかりと根差した軸がある。「焦らなくていい。自分は変わることはない」。簡単に言えることではない。頑固でサッカーに誰よりも愚直だが、一方で成長に向けた養分をしっかり吸い取る柔軟性もある。合宿前、自分を「他の選手から吸収する立場」と話していたが、すでに先輩アタッカー勢から敏感に感じるものがある。
 
「みんな速いですね、動きが。代表なのでみんなうまいというのがまずある。攻撃の選手も全然みんな違うタイプですけど、強いて言うならば前目の選手はみんな常にゴールを狙っているなと。ちょっとフリーだったら、やや強引にでも(狙う)。海外ってこうなのかなと思います。自分が見てそう感じたということは、自分よりも(周りの選手が常にゴールを狙う感覚が)あるのだと思います」
 

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