「英雄のようには称賛できない…」元スペイン代表守護神カニサレスがレジェスの死に厳しい言葉を投げかけた理由

2019年06月03日 サッカーダイジェストWeb編集部

元スペイン代表の同士の死に投じたメッセージ

バレンシアやスペイン代表で活躍したカニサレス。そんな名守護神が仲間の死に独自の見解を示した。 (C) Getty Images

 元スペイン代表のホセ・アントニオ・レジェスが、交通事故で亡くなったという突然の知らせは、サッカー界とファンに大きな悲しみをもたらした。6月1日にマドリードで開催されたチャンピオンズ・リーグ決勝でも、キックオフ前に黙とうが行なわれた。

 ただ、事故を起こしたレジェスは、時速200キロ超で運転していたとも報じられている。スペイン紙『Marca』が地元メディアの報道を伝えたところによると、彼の車は237キロものスピードを出していたようだ。

 このことにスペインサッカー界をレジェンドのひとりであるサンティアゴ・カニサレスは、元代表戦士の死という悲しい出来事に心を痛めつつも、スピード超過の問題について考える必要があると訴えた。

 元バレンシアの守護神であるカニサレスは自身のSNSで、「スピード超過での運転は非難すべき姿勢だ。事故では運転者以外の犠牲者もいた。レジェスは、英雄のように称賛するにふさわしくない」と持論を展開し、さらに次のように続けた。

「だからといって、この出来事に私が心を痛めないわけでも、彼らの魂に祈りをささげないということではない。喜んでいるような人間は許せないと思う」
 
 その後、SNSに賛否が相次いだこと受け、カニサレスは、「おそらく、自分がうまく説明できていなかった」と新たに投稿し、「彼のキャリアやサッカーへの貢献に対するオマージュや追憶にふさわしいのは当然だ」とつけ加えた。

 さらに大きな反響を受けたカニサレスは、「無関心をとがめ、自分たちがいかに過ちを犯しているかを考えるようにうながしたいだけだ。それは痛みと完璧に両立できる」と、悲しみとは別に、考えるべきことも忘れてはいけないと主張し続けた。

 レジェスが運転していたメルセデスには、親族たちも同乗していたと言われ、ひとりは亡くなり、もうひとりも重傷と報じられている。それだけにカニサレスの言葉に考えさせられることは多い。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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