S・ラモスとの“因縁ショット”がモチベーションに…サラーがリベンジに成功したCL決勝弾の舞台裏を明かす

2019年06月03日 サッカーダイジェストWeb編集部

「一度だけ見て『よし、いこう』となった」

過去の自分を振り返って試合に臨んだサラーがリベンジの舞台で躍動した。 (C) Getty Images

 トッテナムとのチャンピオンズ・リーグ(CL)決勝を制したリバプールは、レアル・マドリーに屈した昨シーズンの雪辱を果たした。開始2分にモハメド・シソコのハンドにより得たPKで先制点をあげたモハメド・サラーも、負傷交代を強いられた1年前のリベンジに成功したかたちだ。

 昨シーズンの決勝において、サラーはマドリー主将セルヒオ・ラモスと交錯して負傷し、わずか30分ほどで夢の舞台から去らなければならなかったため、涙に暮れた。

 それからわずか1年でやってきたリベンジの舞台で、26歳のエジプト代表をたきつけたものは、一体なんだったのか――。英紙『Guardian』によると、それは1年前に負傷した際の自分の写真だったという。

 同紙の取材に対し、サラーは試合直前のロッカールームで、「去年の写真を見て、モチベーションを高めた」と語っている。

「去年は30分で負傷交代して、とてもがっかりしていた。しかも僕らは負けてしまったんだ。それは、勝利に向けて僕を鼓舞してくれた。あの写真を見たのは久しぶりだったんだ。一度だけ見て『よし、いこう』となったんだよ」
 
 そうして心理状態を整えて、大一番に臨んだサラーは、開始早々に訪れたPKのプレッシャーも苦にならなかったという。

「試合前から準備はしていたんだ。エジプトが28年ぶりのワールドカップ出場を決めた試合でも、僕は土壇場にPKを決めた。だから、今回のほうが簡単だったよ。CL決勝でPK、勇気を見せて、トロフィーを獲得……素晴らしいね」

 ファイナルという大舞台で輝く自信があったか問われると、サラーは、「すごくあった。僕らの仕事はメンタルが特に重要なんだ。試合前は自分を信じなければいけない」と返してみせた。

「僕らは試合中も自分たちを信じていた。どんなことにも理由はある。昨年の決勝で僕らが負けたのは、今年、戻ってきて、今度こそ勝つためだったのだと思う」

 だが、チームはこれで終わりではない。「最初のトロフィーがCL、スペシャルだね。これは始まりだ。来季はプレミアリーグ優勝を目指す」と、レッズの大黒柱は意気込んだ。

 ユルゲン・クロップ監督が「決勝で勝てない」との"呪い"を打ち破ったリバプールは、来シーズンこそ、悲願のリーグタイトルを手に出来るのか。その大願を成就させるためには、サラーの活躍が必要不可欠だ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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