「コリアンは常に仕掛けていた」孤軍奮闘のソン・フンミンにスペイン・メディアが賛辞!【CL現地レポ】

2019年06月03日 江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)

強烈ミドルでリバプールを脅かすも…

チーム最多タイの3本のシュートを放ったソン・フンミン(右)。最後までアリソン(左)の牙城を崩せなかった。(C)Getty Images

[CL決勝]トッテナム 0-2 リバプール/6月1日(現地時間)/メトロポリターノ

 後半アディショナルタイム、左足で放った渾身のシュートが、リバプールの守護神に防がれる。

「なんで決まらないんだ」

 会場の大型ビジョンに映し出されたトッテナムの7番の表情には、やるせなさが漂っていた。

 試合開始直後に与えたPKで先制を許したスパーズは、故障明けの主砲ハリー・ケインが精彩を欠いたこともあり、なかなか決定機が作れない。

 そんななか、孤軍奮闘したのがソン・フンミンだ。鋭い動き出しでボールを呼び込み、果敢にドリブルで仕掛けて局面の打開を図った。

 80分には、右足の強烈なミドルで敵ゴールを脅かすも、GKアリソンにセーブされる。その5分後にクリスティアン・エリクセンが放った際どいFKもこのブラジル代表守護神に防がれたトッテナムは、最後までゴールをこじ開けられず。87分に追加点を奪われ、万事休した。
 
 翌日、地元紙『Marca』をめくると、両チームの個人評価(星3つが最高、星なしが最低)と寸評が掲載されていた。トッテナムの選手では、右SBのキーラン・トリッピアー、そしてソン・フンミンが星2つで最高だった。

 韓国代表FWの寸評は、こう綴られていた。

「いい出来だった。このコリアンは常に仕掛けていた。かわして、フィニッシュに持ち込んだ」

 表彰が終わり、リバプール陣営が喜びを爆発させる横で、最後までピッチに残り、スパーズ・サポーターに感謝の意を伝えていたソン・フンミン。韓国人選手として、偉大な先達パク・チソン以来のビッグイヤー獲得はならなかった。

 だが、まだ26歳。雪辱のチャンスはまた巡ってくるはずだ。

取材・文●江國 森(サッカーダイジェストWeb編集部)
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