R・マドリー対バルセロナ 至高の戦い「クラシコ」を番記者がポイント展望

2014年10月24日 パブロ・ポロ、ルイス・マルティン

今シーズン最高の状態だ――R・マドリー番記者

勝利の凱歌を上げるのは、R・マドリーのロナウドか、バルサのメッシか――。 (C) Getty Images

 レアル・マドリーとバルセロナが激突する「クラシコ」が、いよいよ10月25日(土)に迫った。
 
 通算229回目(リーグ戦では169回目)となる今回のクラシコでは、どんなドラマが繰り広げられるのか――。
 
 スペインのみならず、全世界のサッカーファンが注目する至高の戦いを、R・マドリーとバルセロナの各番記者が双方向から展望する。
 
 R・マドリー番は、スペイン最大のスポーツ紙『マルカ』のパブロ・ポロ記者。バルセロナ番は、一般紙『エル・パイス』でスペイン代表番も務めるルイス・マルティン記者だ。
 
クラシコ通算成績
R・マドリー:91勝(リーグ戦70勝)
バルセロナ:89勝(リーグ戦66勝)
引き分け:48(リーグ戦32)
 
――◆――◆――
 
1)どんなチーム状態でクラシコを迎える?
 
R・マドリー番記者
 今シーズン最高の状態で迎える。4節から5連勝中で、その間計25得点と、結果に内容も伴っている。前線のタレントの活躍ぶりが素晴らしい。
 
バルセロナ番記者
 チーム状態は上向きだ。ワールドカップでの噛みつき事件による出場停止処分が明け、ルイス・スアレスが戻ってくる。絶好調のリオネル・メッシとネイマールに、このウルグアイ代表FWがどうフィットするか。スアレスは練習で軽快な動きを見せ、好調ぶりをアピールしている。
 
2)クラシコでは誰がキーマンに?
 
R・マドリー番記者
 クリスチアーノ(ロナウド)だ。フィジカルコンディションもよく、選手として成熟の極みに達しつつある。
 
バルセロナ番記者
 鍵を握るのはいつも通りメッシだ。サンチャゴ・ベルナベウではここ10年、つねに何かを起こしてきた。敵地ではあっても、メッシにとっては得意なスタジアムだ。
 
3)ズバリ、クラシコに勝てる?
 
R・マドリー番記者
 マドリーが勝つ。なぜなら、まずホームであること。そしてチームの完成度が、新監督を迎え、メッシとネイマールに依存してばかりのバルサよりも上だからだ。
 
バルセロナ番記者
 勝つ可能性はある。ルイス・エンリケが監督になり、ベンチに座っていることが大きく影響するのではないか。
 
4)あなたのとっておきのクラシコの想い出は?
 
R・マドリー番記者
 記憶に残る試合がふたつある。ひとつは、ホルヘ・バルダーノが(監督として)ベルナベウのベンチにいた時の5-0(1995年1月7日)。あれはマドリーにとって意味のある試合だった。まったく同じスコアでカンプ・ノウ(バルサの本拠地)で敗れた前シーズンの仕返しができたし、ミカエル・ラウドルップがマドリーの選手としてプレーした初めてのクラシコでもあったからだ。
 もうひとつは、チャンピオンズ・リーグの準決勝で実現した2001-02シーズンの一戦、カンプ・ノウでの第1レグ。ジネディーヌ・ジダンが、バルサGKロベルト・ボナーノの前でオーバーヘッドを決めた試合だ。
 
バルセロナ番記者
 バルサの選手が、シーズン優勝を決めたマドリーにパシージョをした(花道を作って入場する選手を迎えた)2008年5月の試合、0-5で敗れた95年の試合(前述)、そして6-2で勝った09年5月の試合。この3つのクラシコがとくに思い出深い。クラシコはフットボールそのもの。それは2強の歴史でもあり、世界がそれを注目している。
 
5)あなたにとってクラシコとは?
 
R・マドリー番記者
 クラブレベルでは世界最高の試合。すべての要素がそこに詰まっている。世界最高の2つのクラブの対決。長い歴史を通じて醸成されたライバル関係。マドリーはバルサという存在がなければマドリーではないし、逆も同じだ。
 
バルセロナ番記者
 クラシコはフットボールの祝祭だ。毎年、最高の選手たちがベルナベウとカンプ・ノウで相まみえる。人々はその90分間について、試合前、試合中、試合後の朝になるまでレストランやバールで話しつづける。スペイン人にとって、人生に欠かせないものなのだ。
 
【レアル・マドリー番記者】
Pablo POLO|MARCA
パブロ・ポロ/マルカ
スペイン最大のスポーツ紙『マルカ』でレアル・マドリー番を務める敏腕記者。フランス語を操り、フランスやアフリカ系の選手とも親密な関係を築いている。アトレティコ番の経験もあり、首都の2大クラブに明るい。
 
【バルセロナ番記者】
Luis MARTIN|El Pais
ルイス・マルティン/エル・パイス
スペインの一般紙『エル・パイス』のバルセロナ番とスペイン代表番を務めるエース記者。バルサの御用新聞とも言えるスポーツ紙『スポルト』の出身で、シャビ、V・バルデス、ピケらと親交が厚く、グアルディオラ(現バイエルン監督)は20年来の親友だ。
 
【翻訳】
豊福晋
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