「人生で最悪の試合」「狂っている」セリエA残留争い直接対決の実況が不満爆発!何があった?

2019年05月28日 サッカーダイジェストWeb編集部

インテルの勝利にすべてを託し…。

フィオレンティーナ対ジェノアの最終戦はスコアレスドローで決着。両軍の残留が決定した。(C)Getty Images

 引き分ければ残留確定のチームと、他チームの結果次第で引き分けでも残留できるチームの試合は、スコアレスドローに終わった。5月27日に開催されたセリエA最終節、フィオレンティーナ対ジェノアの一戦だ。

 37節終了時点で降格圏の18位にいたジェノアは、勝利を目指すべきところだった。だが、勝点1差で17位のエンポリが負ければ、ジェノアは引き分けでも直接対決の結果で残留となる。しかも、エンポリは敵地でチャンピオンズ・リーグ出場を目指すインテルと対戦。ジェノアがドローで"勝ち抜け"を狙う選択肢もあった。

 終盤にゴールに迫ったエンポリが得点できていれば、泣くのはジェノアになっていた。だが、インテルが逃げ切ったことで、フィオレンティーナと勝点1を分け合ったジェノアが、目論見どおり残留を決めたのだった。
 
 目の前の試合に勝ちにいこうとせず、他力本願で残留を決めたことに、批判の声も上がっている。スペイン『Movistar』で試合を中継した実況のミゲル・アンヘル・ロマン氏は、ツイッターで「実況人生でおそらく最悪の試合だった」と酷評した。

 さらに、ロマン氏はイタリア紙『Gazzetta dello Sport』で「恥ずべきだ。バカげている。ジェノアは完全にインテル(の勝利)に身を委ねていた」とコメントし、次のように続けている。

「少なくとも最初はジェノアが勝利を目指すと思っていたが、実際は何もなかった。ゼロだ。エンポリが同点弾を決めて、ようやく目覚めて交代選手を入れたが、インテルが再びリードすると、さらなる交代を取りやめた。インテルに運命を託したんだ。

 視聴者に何度も謝罪しなければならなかった。コメントできない試合だったからだ。何も言うことがなかったんだよ。時間が過ぎるのを待つだけで、他会場の経過を何度も話すことになった。

 何よりもショックだったのは、ジェノアの姿勢だ。プレーしようとせず、ただインテルのゴールを待った。信じられなかった。『狂っている』と思ったよ。過去にもひどい試合はあったが、それは普通、実力がないために起こることだ。フィオレンティーナ対ジェノアのように、意欲の欠如によるものではない」

 ロシア・ワールドカップのポーランド戦で、日本がフェアプレー制度での決勝トーナメント進出を狙い、ボール回しに終始して物議を醸したのは記憶に新しい。リスクの大きさを考慮し、他力本願でもよしとするのか、あくまで自力での目標達成を目指すべきなのか。議論が尽きることはなさそうだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 
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