予想を“裏切ってくれた”抜擢と同点弾! 山田康太が明かした極限状態で初戦を迎えるまでの2日間

2019年05月24日 志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

「興奮を抑えられないくらいで迎えた」

山田は相手GKが弾いたこぼれ球を詰めて同点弾を決めた。(C) Getty Images

[U-20ワールドカップ グループB]U-20日本 1-1 U-20エクアドル/5月23日/ブィドゴシュチスタジアム

 エクアドル戦に挑む日本のスタメンを見た時、申し訳ないが正直に言うと「本当に山田康太が出るのか」と目を疑ってしまった。

 なぜなら、山田は影山雅永監督のもとでコンスタントに招集をされていたとはいえ、先発で出場した試合があまりなかったからだ。加えて、今季は所属クラブの横浜F・マリノスでリーグ戦の出番がなく、試合勘に乏しいためベンチの可能性が高いと考えていた。
 
 しかし、その予想を見事に"裏切ってくれた"。
 
 山田はエクアドル戦の先発を告げられたのが2日前で、「試合に出ると決まった時から、正直、すごい気持ちも高ぶっていて、本当に興奮を抑えられないくらいで迎えた」という。そのため、試合前には「身体のフィットネスとかも、ウォーミングアップの時もいつもと違う感じがした」と明かした。
 
 おそらく、メンタルが極限状態になっていたのだろう。ゴール前でこぼれ球に詰めて決めた68分の同点ゴールは「なんであそこにいたかは分からないですけど、前に行って自分のところに転がってきて、かなり集中力高くミートを意識して。でも、本当にあんまり覚えていなくて、気持ちで押し込んでゴールに入ったことだけを覚えています」と振り返る。

 もっとも、ゴールだけでなく、求められていた「サイドハーフとサイドバックのケアだったり、中盤のプレス」を全う。後半アディショナルタイムの交代まで、運動量を切らすことはなかった。

 ただ、巡ってきたチャンスでハードワークとゴールという結果で抜擢に応えてみせたものの、「攻撃でアイデアだったりパワーを使いたかったですけど、そこがちょっと反省点。もう少しフォワードと上手く絡んで、もっと攻撃にアクセントを加えたいと思います」とさらなる改善を目論む。
 
 自身のゴールで同点にし、次につながる勝点1を得た。ワールドカップの初戦で幸先の良いスタートを切った山田には、さらなる活躍が期待できそうだ。
 
取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
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