欧州トップ15クラブの最新スタイル【リバプール】沈黙をつづけるバロテッリを覚醒できるか

2014年10月22日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

ダイナミズムを生み出すヘンダーソンは不可欠の存在。

 夏に大胆な選手の入れ替えを断行したが、基本戦術に大きな変化はない。選手個々のハードワークと細やかなパスワークを軸に、攻守両面で高い連動性を見せる。全ポジションの層が厚くなり、戦術の柔軟性が向上。4-3-3、4-3-1-2、4-1-4-1とシステムのバリエーションは豊かだ。
 
 大黒柱のジェラードが速やかなトランジションを遂行し、伸び盛りのスターリングが崩しの切り札となる。この2人以上に代えの利かない存在となっているのが、中盤を広範囲にカバーしてダイナミズムを生み出すヘンダーソンだ。持ち前の危機回避能力を存分に披露しつつ、課題だったフィニッシュ精度を磨くなど、今シーズンは攻撃面での貢献度を高めている。
 
 とはいえ、スアレスが抜けた前線はいまひとつ元気がない。絶妙なポジションチェンジと即興的な連係プレーで敵ゴールをこじ開けた昨シーズンと比べれば、明らかに迫力不足だ。戦列復帰したスターリッジ(その後ふたたび離脱)が、沈黙をつづけるバロテッリを覚醒できるか。シーズンの行方を左右する重要ポイントだ。
 
(ワールドサッカーダイジェスト2014.11.6号)
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