【鹿島】「恐れる必要はまったくない」フェライニとの対戦でレオ・シルバが示した実力

2019年05月22日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「当然、こっち側も自信は持っています」

局面のバトルでもタフに戦ったL・シルバ。伊藤の2ゴールをお膳立てと、ゴールに直結する活躍も見せた。写真:滝川敏之

[ACL第6節]鹿島2-1山東魯能/5月22日/カシマ
 
 先に先制を許した前半は、主導権を握りながらも攻めあぐねた。その要因を、レオ・シルバは次のように振り返る。
 
「やっぱり、ちょっと緊張感も硬さもあったのではないでしょうか。あるいは、早く決めなければいけないという焦りがどこかにあって、ラストパスやシュートで力みすぎた部分はあったと思います」
 
 それでも、不動のボランチは勝機を見出していた。
 
「ただ、前半からあれだけのポゼッション率があるわけで。そうすると、必然的に後半になれば、相手もバテてきますし、スペースもできる。そこを我々は使うことができたし、なおかつ最後の3分の1のところでも落ち着いてできました」
 
 68分、自らのCKを起点に伊藤翔が同点弾を押し込む。その2分後には、中央から推進力あるドリブルで持ち運んだL・シルバが、正確なショートパスで伊藤の逆転弾をアシストした。
 
「最終ラインのところから、(前にいる)セルジ(ーニョ)にパスを出してすぐ、彼に『ダイレクトで落としてほしい』と要求しました。それからは、自分のコントロールで、しっかりとスペースを使うことができた。狙いどおりではありましたね」
 
 戦況を見極めて、勝負を決する仕事をこなす。もちろん、攻守両面でのパワフルかつ精力的なプレーはこの日も変わらなかった。中盤の攻防でも激しくやり合う。相手が元ベルギー代表のフェライニでも一歩も引かなかった。十分に相手を圧倒した。
 
「優秀な選手であるのは間違いない。マンチェスター・ユナイテッドでも長くプレーしていましたし、ベルギー代表の選手でもあったし。だからといって、それを恐れる必要はまったくなくて、全員で自分たちがやってきたことを信じてやれば、別に気にすることはない」
 
 その言葉どおりのパフォーマンスだった。目の前にフェライニが立ちはだかっても、臆せず突破を試みたワンプレーは、チームをさらに勢いづかせたはずだ。
 
「相手はネームバリューがあって、注目度も高いし、牽制しなくてはいけない部分はありました。ただ、当然、こっち側も自信は持っていますし、やるべきことも分かっている。今後は、対戦相手が我々のことを気にするようになるでしょう」
 
 プレー面でも、メンタル面でも、頼りになる存在。ゴールに直結する仕事もこなす中盤の門番が、アジア連覇を目指すチームを力強く牽引する。
 
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
 
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