衝撃の"大誤審"を当事者はどう受け止めた?湘南の曺貴裁監督が明かした本音とハーフタイムの一部始終

2019年05月18日 サッカーダイジェストWeb編集部

「ピッチに立つことができないと言われたら、それを止めることは恐らく僕にはできなかった」

曺監督は選手の心情を慮り、ハーフタイムに「やるか、やめるか」と問いかけたという。写真:滝川敏之

 湘南ベルマーレの曺貴裁監督は、17日の12節、アウェー浦和レッズ戦で起きた大きなミスジャッジに関する顛末を試合後の記者会見で明かした。
 
 試合は湘南にとってアクシデントからスタートした。当初のスタメンに発表されていた岡本拓也がウォーミングアップ中に負傷し、フレイレが急きょ出場。山根視来を右ウイングバックに配し、フレイレを3バックの中央に起用した。しかし、浦和のスピード感のある攻撃に対応できず25分までに0-2とされた。
 
 そして31分だった。湘南は中央に進出した杉岡大暉が鋭いターンで宇賀神友弥をかわすと前方へ運び、そのまま左足でミドルシュート。ボールは右のゴールポストに当たり、左のサイドネットに吸い込まれた。そのボールは、ゴール脇にあったドリンクボトルの影響もあり、外に出てきた。それを浦和のGK西川周作は味方のキックオフを促す意味で前に投げている。
 
 すると、山本雄大レフェリーはゴールを認めずにプレー続行を指示した。その流れで浦和のアンドリュー・ナバウトが一気に抜け出したが、GK秋元陽太がストップ。この接触でナバウトが痛んだことで試合がストップすると、当然のように湘南は猛抗議を行なった。しかし、それも認められずに0-2のままハーフタイムを迎えた。
 

 曺監督は「(ハーフタイムに)やるか、やめるか、と言いました。(選手から)俺たち納得できないし、ピッチに立つことができないと言われたら、それを止めることは恐らく僕にはできなかった。彼らがやると言ったので、送り出しました」というやり取りがあったことを明かした。後半が始まってから配布される両監督のハーフタイムコメントで、曺監督の欄は空欄になっていたが、こうしたやり取りだったことが理由だったのだとしている。
 
 後半、湘南は3得点して3-2の逆転勝利を収めている。一方で、重大なミスジャッジがあった場面で、仮に逆の立場だったとしたらという質問を受けた曺監督は、大前提として「僕は浦和レッズの監督ではないので、彼らの反応に言及すべきではない」ということを示した上で、言葉を選びながら思いを語った。
 

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