「ビッグ6」確立、SB重要度アップ、最も使われたシステムは…今季のプレミアリーグに見る興味深い傾向とは?

2019年05月14日 サッカーダイジェストWeb編集部

最も使用されたフォーメーションは?

リバプールとのデットヒートを制したマンチェスター・シティ。彼らの史上まれみる優勝争いはプレミア史に残るものだった。 (C) Getty Images

 周知の通り、今シーズンのプレミアリーグを制したのは、マンチェスター・シティだ。2位リバプールとの勝点差は、わずか1ポイントであることが、タイトルレースがいかに熾烈なものだったかを物語る。

 英衛星放送『Sky Sport』によると、勝点差が2ポイント以上に開かなかったのは、1992年のプレミアリーグの創設以降で6回目。シーズンを通じ、シティとリバプールの勝点差は平均で1.6ポイントという接戦だった。

 シティとリバプールが合計195ポイントもの勝点をあげたように、上位2クラブの合計勝点は年々上昇傾向にある。一方で、それ以外との間に一定の開きがあり、2強が独走傾向にあるのは明白だ。

 リバプールと3位チェルシーの勝点差は25ポイント。これもプレミア創設以降で最多だ。やはりシティが最終節で劇的に優勝を決めた2011-12シーズンの2位マンチェスター・ユナイテッドと3位アーセナルの19ポイント差を大きく上回っている。

 また、6位ユナイテッドと7位ワトフォードの勝点差は9ポイントで、昨シーズンの6位と7位の差と同じ数字に。一昨シーズンは8ポイントと、3シーズン連続でほぼ横ばいだ。3年連続でこれほど安定したケースもまたプレミア創設から初となる。
 
 そして、シティ、リバプール、チェルシー、トッテナム、アーセナル、ユナイテッドの6チームは「ビッグ6」と称されるが、この強豪6チームの立場が確立されつつあると言えるだろう。

 過去10年で「ビッグ6」以外が6位以内でシーズンを終えたのは、2009-10シーズンのアストン・ビラ、2011-12シーズンのニューカッスル、2012-13シーズンと2013-14シーズンのエバートン、そして2015-16シーズンのレスターとサウサンプトンしかいない。

 また、今シーズンの戦術的な傾向としては、基本フォーメーションの変化があげられる。2015-16シーズンは、先発フォーメーションの約半数が4-2-3-1。以降もこのシステムがもっとも多く使われていたが、今シーズンは4-3-3が最多となっている。

 そうした戦術的な傾向のなかで、サイドバックの重要度が右肩上がりなのも注目したい。過去6シーズンのうち5年でサイドバックのアシスト数が前年比で上昇しているのだ。2013-14シーズンが73だったのに対し、今シーズンは135をマーク。特にアンドリュー・ロバートソン(11)とトレント・アレクサンダー=アーノルド(12)を擁したリバプールが23と、2位アーセナルの13に大差をつけてトップを記録した。
 

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