【松本】試合後の前田大然をベテランDFは「ほっといた」。でも「次は決めてくれると思う」

2019年05月12日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「あれだけ出て行ってくれるので、助かっている」

札幌戦はノーゴールに終わった前田。だが飯田は「次は決めてくれると思う」と期待を寄せる。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[J1第11節]松本0-0札幌/5月12日/サンアル
 
 どちらのチャンスも、決めていてもおかしくはなかった。
 
 2分、後方からのロングフィードを飯田真輝がヘッドで落としたところを、ダイレクトで思い切り叩いたが、これは枠を捉えなかった。さらに81分、カウンターでGKと1対1になるも、ループシュートは思うように弧を描かず、GKに正面でキャッチされる。
 
 前田大然はこのふたつの決定的なチャンスをモノにできず、83分にベンチに下げられた。札幌をホームに迎えた一戦は0-0。飯田を中心とした守備陣の踏ん張りもあり、相手の攻撃をシャットアウトしただけに、"大然が決めていれば……"という見方もできるスコアレスドローだった。
 
 悔しさを噛みしめているはずの前田について、飯田は次のようにコメントする。
 
「うちのシャドーの選手は、他のチームより守備を求められているし、それをこなして、あれだけ(前に)出て行ってくれるので、助かっている。
 
 まあ、決めてほしいけど、大然はどういう選手かは分かっているので、とりあえず預けて。前半に一回、ヘディングで落としましたけど、ああいうのも含めて、貪欲に狙ってほしい」
 
 試合後のロッカールームでは、「(前田が)涙目になっていたように見えた。でも分かんないです、顔を洗ったから、そういうふうに見えただけかも。だから、何も言わなかったし、ほっときました」(飯田)。
 
 そんなベテランらしい気遣いを見せる飯田は、東京五輪世代の21歳のアタッカーについて、小さくない期待を寄せている。
 
「ストイックに考えられる選手。外しちゃったからしょうがない、ではなく、"俺が決めていれば"というか、そうやって自分を追い込めるタイプ。次は決めてくれると思う」
 
 札幌戦の苦い経験は、さらなる成長の糧になるはずだし、そうしなければならない。
 
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)
 
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