「三冠を残して去りたかった」バルサ移籍決定のアヤックス新鋭、デヨングが嘆いた”バッドエンド”

2019年05月09日 サッカーダイジェストWeb編集部

「僕らは決勝に値したチームだと思った」

敗退が決まり、涙をも見せたデヨング(中央)。古巣となるアヤックスに三冠を残したいという強い気持ちがあった。 (C) Getty Images

 ヤング・アヤックスの"おとぎ話"は、準決勝で終わってしまった。

 現地時間5月8日に開催されたチャンピオンズ・リーグ(CL)準決勝の第2レグ、ホームのアヤックスは前半に2点を挙げ、合計スコアでも3点のリードを奪った。にもかかわらず、後半トッテナムに2点を返されると、さらにアディショナルタイムにも1点を追加されてしまい、合計スコアは3-3。アウェーゴールの差で敗退が決まった。

 今夏にバルセロナへの移籍が決まっているアヤックスのフレンキー・デヨングは、試合終了後にフィールドに倒れ込んだ。そして、試合後のミックスゾーンでは「"おとぎ話"のエンディングは、バッドエンドで終わった」と肩を落として語ったという。オランダ紙『AD』など複数のメディアが報じている。

「ヨーロッパで"強豪"と呼ばれるクラブではない僕らが、良いサッカーでCLを勝ち上がったことをサポーターや世界中のファンが楽しんでくれたと思う。今シーズンの僕らはファイナリストに値すると思っていた。だが、彼ら(トッテナム)のほうがより幸運だった。

(リーグ戦は残っているが)今は、ほかのことは考えられない。僕は三冠を達成してアヤックスにさよならを告げたかった。手の届く、現実的な夢だったのに、もうそれは叶わない。こんなにつらいことはない」

 失望を隠せないデヨングは、「前半は良かった。だが、後半に入って対峙したチームは、これまでと全く別のチームだった。最後までチャンスを狙われていた。僕らは対応しきれなかった」と自己批判をも露わにし、唇を噛んだという。

 CL敗退は決まったものの、スタジアムを埋め尽くしたサポーターは、3連覇中のレアル・マドリー、イタリア王者ユベントスを破って準決勝に進んだヤング・アヤックスに、罵声ではなく盛大な拍手を送った。

「サポーターには感謝しているし、本当に素晴らしい人たちだ。感謝している。だが、それですぐに幸せだ! と切り替えられるほど、この痛みは浅いものではないと思う。時間が癒してくれると言われたけれど、今は…」

 ガックリと肩を落としたデヨングだが、エールディビジの優勝争いは続いている。三冠が叶わない今、デヨングは気持ちを切り替えてリーグ戦に臨む必要がある。アヤックスは先日国内杯を獲得し、一冠は達成した。

 果たして、PSVに競り勝ってリーグ戦を勝ち取り、二冠を残してのバルサ移籍は、叶うだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 

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