東京Vは攻めに人数をかける都合、相手のカウンターを受けるリスクは高い
ファインセーブでチームを支える上福元。今季は13試合すべてにフル出場している。写真:滝川敏之
亀川諒史の強烈なミドルシュートに、GK上福元直人が反応鋭く横っ跳び。懸命に伸ばした右手の指先に、ボールがかすった感触があった。
「感覚的にそのまま入ることはないと思いました。あとはできるだけシュートの軌道が逸れてくれと」
ボールはポストに当たってはね返り、相手が押し込もうとしたこぼれ球を上福元ががっちりと抱え込んだ。もし触ることができなければ、シュートはポストの内側を叩き、ゴールの中に転がっていただろう。後半アディショナルタイムに見せた大仕事だった。
5月5日のJ2リーグ12節、東京ヴェルディはこの上福元のビッグセーブでV・ファーレン長崎の追撃を振り切り、2-1で勝利を掴んだ。6試合ぶりの勝点3である。
結果を大きく左右する重要な場面は、前半にもあった。6分、小池純輝のゴールで東京Vがリードを奪ったが、次第に長崎が攻勢を強めてくる。そして終了間際、長崎は細かいパスワークで中央を突破し、畑潤基がゴール右隅を捉える決定的なシュート。しかし、これを上福元は左手で弾き出した。
「コースを予測し、シュートに対するタイミングもうまく合わせられましたね。1試合につき、ピンチは何度かあるものですから、それを防ぐのが自分の仕事」
前半のうちに同点に追いつかれていれば、どちらに転んでもおかしくなかったゲームである。52分、佐藤優平が直接FKを決めて追加点を奪ったことにより、3ポイントを大きく引き寄せた。
「感覚的にそのまま入ることはないと思いました。あとはできるだけシュートの軌道が逸れてくれと」
ボールはポストに当たってはね返り、相手が押し込もうとしたこぼれ球を上福元ががっちりと抱え込んだ。もし触ることができなければ、シュートはポストの内側を叩き、ゴールの中に転がっていただろう。後半アディショナルタイムに見せた大仕事だった。
5月5日のJ2リーグ12節、東京ヴェルディはこの上福元のビッグセーブでV・ファーレン長崎の追撃を振り切り、2-1で勝利を掴んだ。6試合ぶりの勝点3である。
結果を大きく左右する重要な場面は、前半にもあった。6分、小池純輝のゴールで東京Vがリードを奪ったが、次第に長崎が攻勢を強めてくる。そして終了間際、長崎は細かいパスワークで中央を突破し、畑潤基がゴール右隅を捉える決定的なシュート。しかし、これを上福元は左手で弾き出した。
「コースを予測し、シュートに対するタイミングもうまく合わせられましたね。1試合につき、ピンチは何度かあるものですから、それを防ぐのが自分の仕事」
前半のうちに同点に追いつかれていれば、どちらに転んでもおかしくなかったゲームである。52分、佐藤優平が直接FKを決めて追加点を奪ったことにより、3ポイントを大きく引き寄せた。
一方で上福元は反省も口にする。3試合連続で喫したCKからの失点がそれだ。
「僕がハイボールの目測を誤り、前に出るか出まいか中途半端になってしまいました。それでディフェンスが動きを止め、相手のシュートを許すことに。原因は自分の判断ミスですから、同じことを繰り返さないようにきちんと修正したい」
目下、東京Vは攻撃面で著しい進境を見せ、ボールを持てるチームへと変貌を遂げようとしている。攻めに人数をかける都合、相手のカウンターを受けるリスクは高い。全体をコンパクトに保ち、運動量が維持されている時間はすぐにボールを取り戻し、攻撃を再開できるが、90分やり続けるのは至難の業だ。
ゲーム運びの面では発展途上ゆえの拙さを度々覗かせており、突如として生じる綻びから失点しないためには上福元の活躍が欠かせない。
取材・文●海江田哲朗(フリーライター)