【名古屋】衝撃のミドル弾!初先発の期待に応えたマテウスが示した圧巻のポテンシャル

2019年05月13日 本田健介(サッカーダイジェスト)

名手・西川のセーブを吹き飛ばす強烈な一発

勝利の立役者となったマテウス。試合後には満面の笑みを見せた。写真:徳原隆元

[J1リーグ11節]名古屋2-0浦和/5月12日/豊田ス

 名古屋が浦和を2-0で下した一戦で、17分に圧巻のミドルを決めたのが、リーグ戦では初先発となったマテウスだ。

 今季、大宮から加入したブラジル人アタッカーは、序盤から持ち前のドリブルで果敢に仕掛けると、17分、ゴール前でジョーが落としたボールに反応して左足を一閃。「自信を持って蹴った」と話す強烈なシュートは、相手DFをかすめ、浦和のGK西川周作の手を弾き飛ばしてネットに突き刺さった。

 シュートを弾き切れなかった西川は「DFに当たって、多少コースが変わってしまいました。無回転ではなかったんですが、手に当てていた分、自分がしっかり止めなくてはいけなかったと思います」と悔しがったが、セーブは非常に難しい一発だったと言えるだろう。

 マテウスは「監督からは自分たちのサッカースタイルを崩さない上で、1対1の時は自分の特技であるドリブルやシュートを狙って良いと言われていました」と振り返ったように、その後もオーバーヘッドで浦和ゴールを脅かすなど躍動感あるプレーを披露。63分に交代となったが、インパクト抜群のパフォーマンスだったと評価できるだろう。
 
 2014年に19歳で来日し、大宮ではJ1で47試合・7得点、J2で45試合・12得点の成績を残してきたJリーグ育ちの助っ人は、名古屋でも早くからポテンシャルの高さを認められていた。筋骨隆々の身体から放たれるシュートは規格外のスピードで、ドリブルのキレも抜群。トレーニングでも異彩を放っていたのだ。ただ名古屋加入後は細かな怪我を繰り返し、高いポゼッション率を誇る"風間サッカー"への順応にも時間を要した。

 それでも風間八宏監督は「彼の持っているスピードやパワーは見ても分かるとおり」と能力を称賛し、「ここに来た時には連続性というところで慣れていない部分がありました。速さのなかで正確にプレーすることがなかなかできなかったのですが、言い続けてきましたし、もちろん彼はすごく素直なので、今日のスタートのチャンスを得ました」と先発の機会を与えると、マテウスは見事に期待に応えてみせたのだ。

【名古屋ブラジル人四銃士 PHOTO】高い個人技とコンビネーションを駆使し名古屋を勝利へと導く

【名古屋 2-0 浦和 PHOTO】名古屋が攻守に渡ってハイレベルなサッカーを展開
 

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