「打つな!って言った…」「信じられない」マンCを救った最古参の主将が放った一撃はペップも同僚も予想外だった!

2019年05月07日 サッカーダイジェストWeb編集部

チームメイトたちからの“雑音”に…。

ペップも仰天したというコンパニのシュートは、苦戦を強いられていたシティを救う一撃だった。 (C) REUTERS/AFLO

 チーム最古参の主将が放った予想外のシュートが、殊勲の一撃となった。

 現地時間5月6日に開催されたプレミアリーグ第37節で、レスターを本拠地で迎え撃ったマンチェスター・シティが1-0と辛くも勝利を収めた。

 試合は、シティが予想外の苦戦を強いられた。立ち上がりから1トップのジェイミー・ヴァーディーを含めた全員を自陣にプレスバックさせたレスターの守備が、思わぬ手堅さを見せたからだ。

 それでも地力に勝るシティは幾度も相手のゴールに迫った。だが、この日はゴールが遠い……。気付けば、69分が過ぎていた。英衛星放送『Sky Sports』によれば、彼らが今シーズンのホームゲームで59分までに得点を挙げられなかったのは初めてのことだったという。

 引き分け以下に終われば、首位リバプールの後塵を拝した状況で、最終節に挑まなくてはならないため、徐々にスタジアムにも焦りの空気が漂っていった。

 その重たいムードを打破したのは、主将ヴァンサン・コンパニの目の覚めるような一発だった。
 
 70分、敵陣のバイタルエリアでボールを持ったベルギー代表DFは、相手の寄せが来ないと見るや、果敢にシュート。25メートル付近から放たれた鋭い一撃はゴール右上隅へと突き刺さったのである。

 結局、このゴールが決勝点となって難戦をモノにしたシティは、リバプールを抜き去って再び首位に浮上した。

 今シーズンの公式戦でノーゴールだった主将のチームを救う一撃は、誰にとっても予期せぬものだったようだ。『Sky Sports』によれば、コンパニがエリア外からシュートを決めたのは、ハンブルクに所属した2007年以来のことだったというから当然である。

 試合終了直後、アルゼンチン代表FWのセルヒオ・アグエロは、コンパニに駆け寄って、本音を漏らした。

「俺は言ったんだ。"ヴィニー(コンパニの愛称)、ノーだ! 打つな!"って(笑)」

 さらにラヒーム・スターリングは、自身のツイッターにコンパニのシュートシーンの写真を掲載し、「ここに写っている僕の顔は、"ノー、ヴィニー! なんでそれをしたんだ"っていう難しい顔だね(笑)。でも、なんてシュートだ。俺らのキャプテンは信じられないよ」とつぶやいた。

 さらに指揮官のジョゼップ・グアルディオラも、試合直後の『Sky Sports』のフラッシュインタビューにおいて、驚きを隠せない様子で語っている。

「私は彼がパスをすると考えていた。パスをするとね。だから彼がシュートを打った瞬間は自信がなくなったよ」

 チームメイトからも驚かれた一撃を決めた張本人であるコンパニは、そうした"雑音"が「鬱陶しかった」と言い放っている。

「今日は少しだけチームに対してフラストレーションが溜まっていた。みんなが『打つな、打つな』って言うんだからね。もちろん、それは聞こえていたけど、鬱陶しかった。だから僕は『少し黙ってろ。これまでのキャリアは、若い選手たちにいつシュートを打つことができるのか、できないのかを教えてもらうためにやってきたわけではない』って思ったんだ。そして、僕はゴールを決めることができた」

 引き分け以下に終わっていれば、自力優勝の可能性が消えていたシティ。それだけに圧巻のミドルシュートを決めたコンパニの働きは、あっぱれという他ない。

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