番記者が選ぶ、平成の大分トリニータベスト11! "ミスター・トリニータ"の高松大樹、アカデミー出身者は西川周作、清武弘嗣を選出

2019年05月01日 柚野真也

乱高下の激しさがクラブ史の深み

柚野氏が選出した平成の大分ベスト11

【ベスト11選出理由】
 印象に残る選手を思いつくままに並べたら、クセの強い集団となった。前線は04、05年にコンビを組んだふたり。アカデミー出身者は西川と清武を選出。監督は将来性のある片野坂監督だ。
 
【大分トリニータの平成史】
 クラブ創設661日目という史上最短記録でJFLへと駆け上がったものの、99年から3年連続して寸前のところでJ1昇格を逃した。03年についに昇格を果たしたが、その後4度も降格の危機に瀕し、しかし、奇跡を起こしてJ1残留を成し遂げた。
 

 クラブ経営においても、97年のメインスポンサー撤退や05年のスポンサー料未払い問題、09年の経営問題など、クラブ存続の危機に遭いながら、サポーターや大分県民、行政、企業が一体となり、大きな壁を乗り越えてきた。09年、13年と2度もJ2に降格し、15年にはJ3へと降格したが、V字回復で今季J1に帰ってきた。この起伏の激しさが歴史の豊かさであり、失敗や悲哀がクラブ史に深みを添えている。
 
 この乱高下の激しいクラブにおいて、今も燦然と輝くのがユニホームのエンブレムの上にあるひとつの星。08年のナビスコカップ制覇によって手にした初タイトルだ。イタリア代表の「カテナチオ」とクラブのマスコットであるカメのニータンを掛け合わせ「カメナチオ」と言われた鉄壁の守備を武器に、九州のクラブとして初となるタイトルを獲得した。やはり、この時代が大分の黄金期だと言えるだろう。
 
文●柚野真也(スポーツライター)
 
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