【エスパルスレポート】胸の鼓動はいまだ高鳴らない。「トップ5」入りへ現状を打破するには…

2019年04月30日 古沢侑大(サッカーダイジェスト編集部)

目標のトップ5には遠く及ばない…

エースの北川はここまで4ゴールを挙げるも、チームは14位と低迷。写真:徳原隆元

[J1リーグ9節]清水0-2浦和/4月28日(日)/アイスタ

 エスパルスの鼓動はいまだ感じられない。
 
 3連勝を狙った清水はチケット完売のホームで浦和に0-2の敗戦。「内容は悪くない。結果がついてこないだけ」そんな声は多く聞こえるが、勝負のシーズンと位置付けた今季の目標「トップ5」には遠く及ばないのが現状だ。

 浦和との一戦で清水はエウシーニョが果敢に縦パスを入れれば、北川航也が1.5列目に落ちて基点を作ろうと工夫。金子翔太と中村慶太の両サイドも持ち前の技術とアジリティを武器に攻め込むも、槙野智章をはじめとする個の能力が高い浦和守備陣を崩せずにいた。
 
 一方の浦和は無理なチャレンジはせず、相手の出方を窺っていたように見えた。柏木陽介や橋岡大樹らを怪我で欠いたが、したたかに試合を運び、セットプレーとカウンターで勝利を手繰り寄せたのは、理想の流れだったかもしれない。
 
「(浦和の)守備は堅かった」と認めながら「チャンスが来るのは分かっていた。そのチャンスを決めきるだけ」と滝裕太が話すように、後半アディショナルタイムにはこの19歳のMFがクロスバー直撃のシュートを放ち、鄭大世や中村にも決定機は訪れた。あとは決めきるだけだ。

 敗れはしたが「だんだん自信もついてきて、堂々とプレーできるようになってきました」と滝が胸を張れば「後ろの距離感はすごく良くなってますし、流れの中でやられなくなってきてるのはすごく実感している。今日もそこまで悪くないって印象はある」と、この日キャプテンを務めた立田悠悟はチームの成長を口にした。

 今季の序盤、3バックで戦っていた清水は不安定な守備が目立っていたが、昨季の主戦システムだった4バックを採用するようになると、徐々に安定感が出てきた。一方攻撃に目を転じると、エースの北川が4ゴールとまずまずの結果を残し、チームは1試合平均1得点以上となる二桁の得点数をマーク。浦和戦でもしっかりとチャンスは作れていた。14位と低迷する現状だが、今のやり方を我慢強くやり続けるしかないだろう。

 その中で上位に食い込むためのキーマンを挙げるとすればドウグラスとヘナト・アウグストのブラジル人ふたりだ。
 

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