磐田の“鬼軍曹”ドゥンガ、広島と神戸で歴史を作ったレジェンドは?etc…Jリーグ「平成の最強助っ人」【中編】

2019年04月29日 サッカーダイジェストWeb編集部

広島の歴史に名を刻んだ名ウインガー。

Jリーグの歴史に名を刻んだクラブ“最強助っ人”を紹介。今回は磐田や神戸など9クラブのレジェンドを取り上げる。 (C) SOCCER DIGEST

 まもなく平成の世が終わり、令和元年を迎える。平成30年間のスポーツ史のなかでも、平成4(1993)年のJリーグ発足は、一、二を争うニュースだったと言えるかもしれない。

 そのJリーグを彩ってきたのが、異国の地からやってきた数多くの外国人選手だ。彼らの存在がなければ、Jリーグ、ひいては日本サッカーの隆盛もなかっただろう。

 そこで、過去26年間に在籍した外国籍選手の中から、厳選26クラブの「歴代最強助っ人」を選出。3回に分けて紹介する。前編に続く中編では、"欧州路線"を走ってきた広島や"闘将"ドゥンガを引き抜いた磐田などの9クラブの英雄を紹介する。

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■サンフレッチェ広島
ミハエル・ミキッチ(MF)
●国籍または代表:クロアチア
●在籍期間:09~17年
●通算成績:J1/229試合・18得点(広島:221試合・18得点)

 在籍期間はクラブ史上最長の9年だ。12年、13年、15年と3度のJ1リーグ優勝に貢献したミキッチこそ、広島の歴史において最も輝きを放った外国人選手であるはずだ。

 チャンピオンズ・リーグ出場経験もあるクロアチア出身の高速ドリブラーは、09年の加入以来、単独で敵陣を切り裂く打開力と、底知れぬスタミナを武器に広島の右サイドに君臨。テクニックがずば抜けているわけでもなく、簡単にボールを失う場面も少なくなかったが、攻撃が手詰まりとなった時に、彼のドリブル突破が局面を切り開く糸口となり、チームを幾度となく救った。

 今月に現役引退を発表した名手は、サイドでのアップダウンを繰り返すプレースタイルで筋肉系の怪我を何度も招いたが、その全力プレーは観る者の心を動かし、何より広島サポーターからこよなく愛される存在だった。
 
■ヴィッセル神戸
レアンドロ(FW)
●国籍または代表:ブラジル
●在籍期間:07~08年、15~18年
●通算成績:J1/188試合・87得点(神戸:103試合・45得点)、J2/67試合・31得点

 Jリーグでは7チームに在籍してきたレアンドロだが、神戸でのキャリアはひと際眩い。

 07年には大久保嘉人と破壊力抜群の2トップを形成し、チーム最多の15ゴールを叩き出したブラジリアンは、その後に在籍したガンバ大阪と柏レイソルで、最終ラインの背後を取るオフ・ザ・ボールの動きと冷静沈着なフィニッシュワーク、そして周囲を活かすプレーがより洗練された。

 15年7月に7年ぶりの神戸復帰を果たしたレアンドロは、翌16年にペドロ・ジュニオール、渡邉千真とのコンビで得点を量産。19得点をマークして自身初のJ1得点王を獲得した。

 異論はあるかもしれない。ただ、神戸の外国人では史上最多の45ゴールを叩き出している実績を考えれば、ミカエル・ラウドルップや、近年に加入したルーカス・ポドルスキ、アンドレス・イニエスタ、ダビド・ビジャといったビッグネームを差し置いての選出も妥当と言えるのではないだろうか。
 

次ページ別格だった司令塔“マルちゃん”。

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