【セルジオ越後】“横綱”になれないレッズ、混迷するヴィッセル…Jリーグの質の低下が心配だ

2019年04月26日 サッカーダイジェスト編集部

今はまるで、まったく別のチームになってしまっている

J1では6位につける浦和も、ゲーム内容はパッとしない。ACLでも苦境に立たされている。(C)SOCCER DIGEST

 今年のJリーグも8試合を終えたけれど、開幕前の下馬評とはまったく違う展開になっている。アントラーズ、レッズ、フロンターレなどが出遅れているのは、特に予想外だろう。
 
 ようやくエンジンがかかってきたフロンターレも開幕当初は前線の形が定まらず、4節まで勝利から見放された。アントラーズもエースの鈴木がいまだに復帰できずにいて、その他にもSBでは内田篤人、山本修斗、伊東幸敏、それにCBではチョン・スンヒョンとブエノなど、ディフェンス陣にも故障者が続出している。
 
 ただ、とりわけ心配なのがレッズだ。オリヴェイラ監督を迎えて2年目の今季、J1での順位(8節終了時点で6位)は悪くないとはいえ、どこか攻守がちぐはぐで、ゲーム内容は決して良いとは言えない。
 
 今は守って、守って、辛くも勝てているといった感じだ。選手たちも、決して良いゲームではなかったと毎試合のようにコメントをしている。本来なら"横綱"らしく相手を圧倒していく白星を重ねていくくらいでないといけないのに、苦戦を強いられているんだ。
 
 レッズはACLでも窮地に立たされている。韓国の全北現代にホームでもアウェーでも敗れて勝点を伸ばせず、グループステージ突破が早くも厳しくなってしまった(編集部・注/残り2節で勝点4のグループ3位に沈む)。

 2017年にアジア制覇を果たした時と、監督が代わったとはいえ、主力メンバーは大きく変わっていない。それでも、今はまるで、まったく別のチームになってしまっているようだ。選手の高齢化が進んでいるのは確かだし、それに代わる選手が出てきていない。それに加えて、外国人の質も以前に比べて落ちているのが、突き抜けられない原因だろう。
 
 セレッソから杉本、マリノスから山中らを実力者と呼ばれる選手たちを獲得したけど、そうした新戦力も定位置を掴めていない。開幕前は大きな話題になっていたのに、期待に応えるような活躍ができないままで、今はほとんどニュースになっていないよね。
 
 例えば1度目のアジア制覇をした2007年など強い頃のレッズの補強には、あっと驚かされたし、当時は輝かしいタレントが多かった。特にワシントンやポンテといった強力助っ人は頼もしい存在だったよね。
 
 それに比べると、オーストラリア代表のアンドリュー・ナバウトにしても、今季ポルトから加入したブラジル人のエヴェルトンにしても、なかなか持ち味を発揮できていない。助っ人がフィットできていないのは当時との大きな差だろう。

 オリヴェイラ監督には、ベテラン、若手、助っ人を融合させて、いち早くチームを機能させてほしいものだ。

次ページ「VIPトリオ」は文字通り格差を現わしているようだ

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