「彼はすぐに怒鳴っていた…」アンリは“監督”として何がダメだったのか? モナコのロシア代表MFが明かす

2019年04月16日 サッカーダイジェストWeb編集部

「ひとりで戦術を何時間もチェックしていた時もあった」

モナコ就任でファンやメディアから期待をかけられながら、それを裏切ってしまったアンリ。彼は監督としていったい何が足りなかったのだろうか。 (C) Getty Images

 それはあまりに衝撃的なニュースだった。今年1月24日、リーグ・アンのモナコが、就任から約3か月しか経っていなかったティエリ・アンリを解任したという一報である。

 昨年10月13日に降格圏に沈んでいた前任者レオナルド・ジャルディムの後を継いだアンリは、ベルギー代表のヘッドコーチとテレビ解説者として見せていた知見の深さ、そして何より現役時代から放つカリスマ性から、不振に喘ぐ名門を救うことが期待された。

 しかし、蓋を開けてみれば、リーグ・アンでの12試合で、わずか2勝しかできずにチームは混迷を極めた。さらにラダメル・ファルカオやカミル・グリクといったベテラン陣との確執も浮き彫りになって、古巣の再建を果たすことなくアンリは職を追われた。

"監督"アンリは、いったい何が足りなかったのか。その問いに持論を展開したのは、モナコに所属するアレクサンドル・ゴロビンだ。英紙『The Sun』が、現在22歳のロシア代表MFが漏らした本音を伝えている。
 
 ゴロビンいわく、アンリは「練習でうまくいかないことがあると、怒鳴り散らしていた」という。そして、ロシア代表MFは、アンリが現役時代の"プライド"を消しきれていなかったことを指摘した。

「アンリは選手だった頃の自分を殺せなかったのかもしれない。彼は非常に強力な選手だったからね。今のモナコで彼に匹敵するレベルの選手は、正直言って、ファルカオとセスクだけだ。だから彼はグラウンドに出て、僕らにどうやって練習するのかを見せようとして、叫んでいた。

 違う監督なら『さあ、しっかりやるんだ』と選手たちに解決させようとしていたかもしれないけど、アンリはすぐにナーバスになって、プレーを止めては、自らお手本を見せて、『俺からボールを奪ってみろ』と叫んでいた。大半の選手は冷静だったけれど、何人かの若手を含めて、一部の選手たちは、それがちょっとショックだったかもしれないね」

「思いのほか選手が成長しないことに傷ついた彼は僕らと喋ることなく、ひとりで戦術を何時間もチェックしていた時もあった」と明かしたゴロビンは、アンリ解任後にジャルディムが再登板したことで、「チームにポジティブさが戻ってきた」とも告白。降格圏を脱し、上向いたモナコの明るい現状を語っている。

 電撃解任をされて以降、アンリは表舞台から姿を消している。果たして、彼はモナコでの失敗を糧に次なるステップを踏み出すことができるのだろうか。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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