「ユウヤは本当に怒っていたよ。だが…」ブレーメン指揮官が”惚れ込む”大迫勇也を早期交代させた深い理由

2019年04月15日 サッカーダイジェストWeb編集部

「日本語で罵倒するときに使う言葉をひとつ学んだ」

フライブルク戦では63分までプレーした大迫。チームは勝利をお収め、7位に浮上している。 (C)Getty Images

 現地時間4月13日、ブンデスリーガ第29節が行なわれ、第28節を終えた時点で8位のブレーメンはホームで13位のフライブルクと対戦。2-1で勝利している。

 前節、18年12月22日のRBライプツィヒ戦以来となる戦線復帰を果たした大迫勇也は、貴重な同点ゴールをアシスト。この日は先発に名を連ねた。

 2トップの一角で出場した大迫は、好機創出に絡んだものの、得点やアシストなど目に見える結果を残すことはできなかった。

 指揮官のフロリアン・コーフェルトは、63分に大迫に代えてクラウディオ・ピサーロを投入。この采配がズバリ当たり、2点を奪ったブレーメンはホームで勝利。2019年に入ってから未だ無敗を維持し、7位に浮上した。

 だが、大迫自身はこの交代におおいに不満があったようだ。ブレーメンの地元紙『Kreiszeitung』が報じている。

 ピッチを後にした大迫をベンチ前で迎えたフロリアン・コーフェルト監督は試合後の会見で、「今日、日本語をひとつ学んだよ」と笑いながらその時のエピソードを明かしている。

「交代させた時、ユウヤは腹を立てていたよ。おかげで、日本語で罵倒するときに使う言葉をひとつ学んだ。本当に怒っていたね。

 事前に60分間のプレーになるだろうということは伝えていた。彼の能力は疑いようがないから、(スコアレスだった)あの展開では苦しい決断でもあった。我々スタッフは"強制的に"交代をするしかなかった。そうしなければ危険すぎるからだ。

 フライブルク戦のユウヤのパフォーマンスは、十分に満足させてくれた。彼はこれからの2~3週間、間違いなくチームにとって重要な存在になる。この3か月思い知らされたことだ。ユウヤが万全の状態でいてくれることを祈るよ」

 早期交代は、大迫に無理をさせないための判断だったといえるだろう。この日本代表FWの獲得を強く希望した指揮官は、長期離脱をした後も、絶対の信頼を置いているようだ。悔しさを露わにした姿にも、"チームにとっていい兆候だ"と捉えているという。

「ユウヤの本来の力は、もっとクオリティーが高い。だが、ひとつずつ試合をこなすごとに、必ず良くなるだろう。保証するよ」

 そう語ったコーフェルト率いるブレーメンは、4月20日に行われる第30節でバイエルンとのアウェー戦をこなした後、24日にはDFBポカール準決勝をホームで戦う。決勝進出を果たせば、ブレーメンにとっては9年ぶりとなる。

 対バイエルンに対して、大迫は2018年12月1日に行われたリーグ戦で1ゴールを奪っている。ブレーメン攻撃陣において「やっと戻ってきたエキサイティングなカード」(『Kreiszeitung』)と評されるストライカーが、キーマンになるのは間違いない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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