「ここが、踏ん張りところ」2戦連続で10人試合のフランクフルト、今年のリーグ戦初黒星も…長谷部誠は下を向かない

2019年04月15日 サッカーダイジェストWeb編集部

「もう一回、自分たちの足元を見つめる時期」

対戦相手は今や対フランクフルトのプランをしっかりと立ててきている。ひとり少ない状況下、58分にはスーパークリアを見せた長谷部も、今回は敗北を避けることはできなかった。 (C) Getty Images

 現地時間4月14日、ブンデスリーガの第29節が行なわれた。リーグ4位のフランクフルトはホームにアウクスブルクを迎え、1-3で敗れている。

 アウクスブルクは現在残留争いに苦しんでおり(14位)、前節終了後にマヌエル・バウム監督を電撃解任。新監督に就任したマルティン・シュミット指揮のもと、立ち上がりから非常にアグレッシブなプレーを仕掛けてきた。

 対するフランクフルトは、11日に行われたヨーロッパリーグ(EL)準々決勝第1レグでベンフィカ戦(2-4で敗北)に続いてリーグ戦、というハードスケジュールだったが、15分にフィリップ・コスティッチとゴンサロ・パシエンシアの個人技で、先制に成功する。
 
 だが、その後の展開は長谷部誠を含む主力メンバーのプレーからは疲れを感じさせた。全体的にミスが多く、自分たちのリズムをなかなかつかめない。先制点を活かせず、前半のうちに連続失点を喫し、1-2と逆転されてしまった。

 さらに後半開始早々の48分、中盤の要であるジェルソン・フェルナンデスがこの日2枚目のイエローカードで退場する。ELベンフィカ戦でも前半20分にエバン・エヌディカがレッドカードを提示されたこのチームは、2戦連続で、ひとり少ない数的不利な状況で戦うことを強いられる。

 選手たちは奮闘した。長谷部ら守備陣が踏ん張り、攻撃陣も数少ないチャンスを活かそうと前線へ走った。しかし、スコアをひっくり返すことはできなかった。

 結局、終了間際にも追加点を献上し、1-3で敗北している。

 これが12試合連続のリーグ戦出場となった長谷部は、リベロでフル出場。2019年に入って初のリーグ戦での黒星を、こう振り返っている。

「全体的に考えれば、失点の仕方が軽かったですね。後半に関してはひとり少なくなり、連戦ということもあり…これだけ長い時間ひとり少ないのは、正直、厳しいところもあります。

 ただ、最後の最後まで自分たちはトライすることはできた。とにかく今はいいシーズン送っているので、ポジティブな状態をしっかりと保っていきたい」

 とはいうものの、この敗北によって、今節勝利した5位ボルシアMGと4位フランクフルトの勝点差は1に縮まっている。

 CLストレートインとなる4位以内をキープしたいフランクフルトにとっては悔しい結果となったが、長谷部はネガティブになっているわけではない。

「自分たちの目標であるCL出場を考えれば、今日勝ち点3を取るというのは、絶対必要な条件だと思っていました。そこで勝てなかったということは、自分たちの甘さがあるのかなと感じますね。

 (ELの)ベンフィカ戦、この試合と連敗したので、もう一回、自分たちの足元を見つめる時期だと思います。そして、自分たちのいい状態というのを取り戻していかないといけない。ここが、踏ん張りところかな」

 チームの、そして長谷部の今の目標は、リーグ戦残り5試合を戦い抜いて4位以内をキープし、CL出場権を手にすること。そして、木曜日に行われるEL第2レグを勝ち抜いて準決勝に進出し、さらなる上を目指すことだ。

 フランクフルトは敵地での第1レグを2-4で落としたが、準々決勝突破の可能性はまだ残されている。

「勝ち進むためには、ホームで2点以上取らなきゃいけない。やることははっきりしている。スタジアムはきっといい雰囲気になると思うので、全部、出し切りたいと思います」

 長谷部は、この"最高のシーズン"をまだまだ終わらせる気はないようだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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