【松本】不遇の昨季から一転、新天地で不動の存在へ! MF高橋諒が古巣の湘南戦へ秘めていた思いとは…

2019年04月15日 佐藤香菜(サッカーダイジェスト)

先発出場で湘南との古巣戦に挑んだ高橋の想いは…

左サイドから幾度も仕掛け、松本の攻撃を活性化させた高橋諒。写真:滝川敏之

[J1リーグ7節]湘南1-1松本/4月14日(日)/BMW
 
 J1リーグ7節湘南ベルマーレ対松本山雅FC戦が14日、Shonan BMWスタジアム平塚で行なわれ、1-1の引き分けで両者は勝点1を分け合った。

 これにより、松本は7節終了時点で2勝2分3敗の12位。4年ぶり2回目となるJ1の舞台で戦う今季、中位の順位と健闘している。そんな松本で左ウイングバックとして攻守に奮闘しているのが、今季湘南から完全移籍で加入したMF高橋諒だ。

 高橋は17年7月から18年まで湘南に所属。左右の足で精度に遜色のないキックが武器で、カットインからのシュートや得意のドリブルから正確なクロスを上げるなど、多彩な攻撃バリエーションを持っている。しかし、湘南ではU-22日本代表の杉岡大暉とポジションがかぶることもあり、一昨年はリーグ6試合、昨年は10試合出場と、活躍の機会を増やせずにいた。
 
 今季より松本へ環境を移すと、リーグ開幕戦から今節の7節までに全試合に先発でフル出場を果たす。松本は得意とするセットプレーからの攻撃だけでなく、左サイドからのチャンスメイクも強みのひとつとなり、高橋は新戦力ながら必要不可欠な存在へとその価値を高めている。

 古巣戦となった今節の湘南戦は、「知ってる選手が多いのでやりづらさみたいなのはありましたね。(昨季まで)練習を一緒にやっていたので、自分のプレーを知られている。得点に関わるプレーをできれば」という想いで臨んだという。

 試合は、FW武富孝介のゴールで湘南が先制。松本が83分にFWレアンドロ・ペレイラの得点で同点とすると、迎えた後半アディショナルタイム2分台、高橋にそのチャンスはやってくる。右CKからのこぼれ球が、混戦の外にいた高橋の目の前に来たのだ。「(自分のもとへ)こぼれてくるとは思わなかったので、とりあえず蹴りました」。左足を振り抜くも、惜しくもゴール枠を捉えることはできなかった。
 
「勝ちたかったですね。久しぶりに(BMWスタジアムへ)来て、去年までやってた懐かしさとかありましたし、やっぱり勝ちたかった……」

 試合後に湘南の曺監督からは「がんばれ」と声を掛けてもらったと言う。穏やかに話す表情の奥には、古巣で自分の成長を見てもらいたかった悔しさのようなものも感じられた。松本に移籍後、出場機会を増やす高橋。これまでの想いをバネにして飛躍する姿に期待したい。

取材・文●佐藤香菜(サッカーダイジェスト編集部)
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