【ACL展望】広島×大邱FC|リーグ5戦連続無失点の堅守! 大邱の強力攻撃陣を抑え込めるか

2019年04月10日 中野和也

広島――相手は典型的な堅守速攻型。ボールの失い方に注意したい

広島はホームに大邱FCを迎える。リーグ戦での好調をACLに持ち込めるか。写真:徳原隆元

ACLグループステージ第3戦
サンフレッチェ広島 大邱FC
4月10日(水)/19:00/広島広域公園陸上競技場
 
サンフレッチェ広島
ACL成績:3位 勝点3 1勝0分1敗 2得点・3失点
 
【最新チーム事情】
●メンバーはリーグ戦の主力組を継続起用か。
●リーグ戦5試合連続完封の勢いをACLでも。
●FWはドウグラス・ヴィエイラか、渡大生か。
 
【担当記者の視点】 
 リーグ戦5試合連続完封。特に松本、大分、G大阪というここ3試合の守備はパーフェクトに近い状況だ。そしてG大阪戦後、城福浩監督は「ACLまで中3日、その次の神戸戦までも中3日であるという事実を認識し、準備できている選手を起用したい」と示唆。これまでの2戦ではリーグ戦と11人入れ替える戦略を続けてきた指揮官だが、次の大邱戦はリーグ戦メンバーの継続起用へ舵を切りそうだ。
 
 その背景には、この大邱戦がACLグループリーグ突破に向けて、大きなターニングポイントになるという現実がある。現在、広島は1勝1敗で3位。一方の大邱は連勝で首位に立っている。ここでもし広島が勝てば勝点で大邱と並び、広州恒大がメルボルンに勝点を落とせばグループリーグ首位に立つことになる。
 
 一方、敗れればグループリーグ突破に暗雲が立ち込め、厳しいアウェー戦で勝利が必要になってくる。ACLでは特に「ホーム勝利・アウェー引き分け」の原則が重要で、そこを指揮官はよく分かっているからこそ、リーグ戦で勢いに乗っているメンバーを使いたい。「もちろん勝点3が欲しい試合。失点の少ない強固な守備から得点を重ねるスタイルを、しっかりと固めていきたいという気持ちもある」と指揮官は言う。GK大迫敬介を中心とする平均失点0.17を誇る守備陣の充実に期待を寄せ、ACL2試合で6得点という破壊力を持つ大邱に立ち向かいたい。
 
 大邱はACLで3得点と破壊力を持つエース・エドガルが4試合連続して欠場中で、負傷しているという情報もある。ただ城福監督は「試合に出てくると考えて準備します」と警戒。トップ下で試合をつくりながらゴールも決められるセシーニャとならび「Kリーグでも1~2を争う質をもっている二人」と指揮官は高く評価しているコンビが出てくれば、相当の脅威になることは言うまでもない。また彼ら以外にも、広州恒大戦で1得点・1アシストのキム・デウォンら、若い韓国人選手にも優秀な選手が多い。キム・デウォンの広州恒大戦でのゴールをアシストしているボランチ・西翼やエドガル欠場時に先発し、Kリーグで4試合・3得点と得点を重ねているキム・ジンヒョンのパワーも気に掛かる。
 
 彼らのやり方は典型的な堅守速攻。相手を引き込んで裏のスペースを狙うことに長けているチームで、だからこそボールの失い方には要注意。勝点3を狙うあまり、リスク管理を怠っては元も子もない。まずは冷静に、しっかりと勝点1を握ったまま、勝点3を狙いに行く姿勢が必要だ。
 
取材・文●中野和也(紫熊倶楽部)
 

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