「動きが際立っていた」昇格を懸けてザンクト・パウリ宮市亮とキール奥川雅也が激突! 現地メディアに高評価されたのは?

2019年04月09日 サッカーダイジェストWeb編集部

決勝点をアシストした22歳に軍配

ドイツの2部でプレーする宮市(左)と奥川(右)。チームを昇格に導けるか。 (C)Getty Images

 現地時間4月6日、ブンデスリーガ2部の第28節、ホルシュタイン・キール対ザンクト・パウリが行なわれ、2-1でキールが勝利した。

 ブンデス2部は現在、1位のケルンが頭ひとつ抜け出し、酒井高徳と伊藤達哉が所属する2位のハンブルクも自動昇格圏内をキープ。熾烈なのが、1部の16位と昇降格プレーオフを行なう3位争いで、ウニオン・ベルリン、パーダーボルン、キール、ザンクト・パウリあたりが1枠を競り合っている状況だ。

 この注目された上位同士の対戦で実現したのが、キールの奥川雅也(22)とザンクト・パウリの宮市亮(26)の日本人対決だ。

 昨夏にオーストリアのレッドブル・ザルツブルクからレンタルで加入した奥川は、この大一番に2トップの一角で先発。一方、18年9月21日のインゴルシュタット戦で約1年ぶりに実戦復帰して以降、コンスタントに出場を重ねている宮市は、ベンチスタートとなった。

 ホームのキールは、41分にシュテファン・テスカーが退場処分となり、数的不利に追い込まれると、その2分後にPKで失点。1点ビハインドの厳しい状況で前半を折り返す。

 だが51分、今度はキールがPKを獲得し、同点に追いつく。そして、そのわずか2分後、決定機を演出したのは奥川だった。エリア左手前から、中央に低めの鋭いクロスを上げる。これを受けた途中出場の韓国代表MFイ・ジェソンが冷静に決め、逆転に成功する。

 一方、数的優位を活かせずなかなか好機を作れないザンクト・パウリは、77分に宮市を投入。この快足アタッカーが縦への突破などで流れを引き寄せるも、何度か訪れたゴール前のチャンスを決めきることが出来なかった。

 試合はひとり少ないキールが2-1で勝利。勝点を45に伸ばして5位に浮上し、勝点44のザンクト・パウリは6位に順位を落としている。

 現地メディア『dpa』は「ホルシュタイン・キールは士気を高めてザンクト・パウリを破り、昇格のチャンスに近づいた。試合はひとり少ない状況が長く続いたが、キールの戦士たちは少しずつ順応した。なかでも前線で奮闘した奥川の動きは際立っており、チームに良い影響をもたらした」と奥川のプレーを高く評価している。

 敗れたザンクト・パウリについては、地元ハンブルクの『Hamburger Abendblatt』紙が「貴重な勝点を失い、落胆している」と嘆いたが、宮市については「スコアラーとして期待される存在。流れを変えた」と評した。

 2部リーグの試合は残り6試合。3位争いはまずます激化すること必至だ。次節は4月14日(現地時間)、キールはアウェーでインゴルシュタット、ザンクト・パウリはホームでアルミニア・ビーレフェルトと対戦する。ふたりの日本人の活躍に期待したい。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
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