ユーベ新星FWケアンへの“モンキーチャント”が大きな波紋を広げる。
カリアリ戦で得点後に相手サポーターへ自身をアピールするパフォーマンスを披露したケアン。この直後にはスタンドからゴミが投げつけられてもいた。 (C) Getty Images
イタリアで起きた選手とサポーターの衝突が大きな波紋を広げている。
現地時間4月2日にユベントスが敵地に乗り込んでカリアリに2-0で勝利したこの試合で、結果以上に話題となっているのが、一部のホームサポーターたちとユーベの俊英FWモイゼ・ケアンの衝突だ。
20分にシミュレーションでイエローカードをもらったあたりからカリアリのウルトラスから"モンキーチャント(猿の鳴き声を真似たチャント)"を受けていたケアンは、85分にダメ押し点を決めた直後、そのゴールの真裏に陣取るカリアリ・サポーターに向けて両手を大きく広げるパフォーマンスを披露したのだ。
これがさらにホームサポーターの怒りを助長させ、ケアンだけでなくブレーズ・マテュイディやアレックス・サンドロといったユーベの黒人選手たちをターゲットにした差別的野次は試合終了まで続いた。
今年2月に19歳になったばかりのケアンが人種差別に対してみせた"反攻"には、黒人選手をはじめとする多くのサッカーファミリーから称賛のコメントが相次いだ。そんななか、意外とも言うべき見解を示したのは、同じユーベに所属するイタリア代表DFレオナルド・ボヌッチだった。
ユーベのリーダー格でもあるイタリア代表DFは、試合後、イタリア・メディア『Sky』のフラッシュインタビューでケアンの振る舞いに、「挑発すべきではなかった」とコメントし、こう続けた。
「本来、ゴールセレブレーションはチームメートとするものだ。僕としてはお互いさまだと思う。50対50だ。モイゼはあんなことをすべきじゃなかったし、カリアリのゴール裏もああいうかたちでやり返すべきじゃなかった」
現地時間4月2日にユベントスが敵地に乗り込んでカリアリに2-0で勝利したこの試合で、結果以上に話題となっているのが、一部のホームサポーターたちとユーベの俊英FWモイゼ・ケアンの衝突だ。
20分にシミュレーションでイエローカードをもらったあたりからカリアリのウルトラスから"モンキーチャント(猿の鳴き声を真似たチャント)"を受けていたケアンは、85分にダメ押し点を決めた直後、そのゴールの真裏に陣取るカリアリ・サポーターに向けて両手を大きく広げるパフォーマンスを披露したのだ。
これがさらにホームサポーターの怒りを助長させ、ケアンだけでなくブレーズ・マテュイディやアレックス・サンドロといったユーベの黒人選手たちをターゲットにした差別的野次は試合終了まで続いた。
今年2月に19歳になったばかりのケアンが人種差別に対してみせた"反攻"には、黒人選手をはじめとする多くのサッカーファミリーから称賛のコメントが相次いだ。そんななか、意外とも言うべき見解を示したのは、同じユーベに所属するイタリア代表DFレオナルド・ボヌッチだった。
ユーベのリーダー格でもあるイタリア代表DFは、試合後、イタリア・メディア『Sky』のフラッシュインタビューでケアンの振る舞いに、「挑発すべきではなかった」とコメントし、こう続けた。
「本来、ゴールセレブレーションはチームメートとするものだ。僕としてはお互いさまだと思う。50対50だ。モイゼはあんなことをすべきじゃなかったし、カリアリのゴール裏もああいうかたちでやり返すべきじゃなかった」
さらに「自分たちはプロ。手本を示すべきで、誰かを挑発すべきじゃない」と語ったボヌッチだったが、この軽率とも取れる発言が反感を買ってしまう。とくに厳しく糾弾したのは、元コートジボワール代表MFのトゥーレ・ヤヤだ。
プレミアリーグやラ・リーガで活躍した一方で、自身も人種差別の被害を受けてきたという35歳のベテランMFは、英衛星放送「BBC」の取材で、ボヌッチの発言に異論を唱えた。
「個人的な意見を言わせてもらえば、信じがたい発言だね。もしも、僕がそういった場面に出くわしたらとても傷つくし、怒りに震えると思う。そういうなかで、彼(ボヌッチ)の発言はチームメートへの敬意を欠くものであり、彼はチームと同僚たちに謝罪すべきだ」
さらにトゥーレ・ヤヤは、こうした問題が起きても、具体的な動きを見せない国際サッカー連盟(FIFA)やヨーロッパ・サッカー連盟(UEFA)を批判した。
「彼らは椅子に座ってコーヒーとワインを飲ながら、今回起こったような事件を聞くと、電話を手にとって言うんだ。『そんなことはあってはならない。再発させないために積極的にならなければならない』とね。そして、FIFAはまた僕らに頼むだろうね。『何かをやってくれ』って。だけど、何年も何年もそうしてきた。でも、何かが変わったかい?」