現地時間４月２日に開催されたラ・リーガ30節で、ビジャレアルは首位バルセロナと壮絶な撃ち合いを演じ、80分まで４-２とリード。だが、試合終了間際にリオネル・メッシとルイス・スアレスにゴールを許して追いつかれ、勝利目前で２ポイントを取り逃した。

　89分のメッシのFK弾も、アディショナルタイムのスアレスの同点弾も鮮やかな一撃だったが、それ以上とも言える輝きを放ったのが、ビジャレアルのサンティ・カソルラだ。

　23分にサムエル・チュクウェーゼの、80分にカルロス・バッカのゴールをお膳立てした２本のパスはそれこそ絶妙で、バルサの守備陣をきりきり舞いさせた。

　２ゴールを挙げた年明けの早々のレアル・マドリー戦に続き、ビッグクラブを相手にその技術が錆付いていないことを証明してみせたのだ。
 

　昨夏、７年ぶりにビジャレアルに復帰したカソルラは、アーセナルでのここ２シーズン、アキレス腱など度重なる怪我に悩まされ、ほとんどピッチに立てなかった。８度の手術を繰り返し、一時は選手生命が危ぶまれたほどだ。

　だが、そんな状態でも迎え入れてくれた古巣の想いに応えるように、開幕から長欠の影響を感じさせないプレーを披露。27試合に出場して４ゴール、チームトップの７アシストを記録している。

　完全復活を果たした34歳のMFにファンは感嘆。バルサ戦の後には、「極上のパス」、「ピッチ上の誰よりも輝いていた」、「また走れるようになるなんて！」、「驚くべき復活劇だ」といったメッセージが寄せられた。

　絶望の淵から這い上がってきた男が、第二の春を謳歌している。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部