“世界最悪のジャッジ”はなぜ起きた? 元リバプールDFがVRで独自解説! 「副審の目の前には…」

2019年04月03日 サッカーダイジェストWeb編集部

「ウォーノックには不親切かもしれないが…」

カーディフvsチェルシーの明暗を分けた誤審はなぜ起きたのか? 元リバプールのCBキャラガーが自身の見解を示した。 (C) Getty Images

 現地時間3月31日に行なわれたプレミアリーグ第32節で、カーディフはチェルシーに1-2で敗れた。この試合で大きな問題となっているのが、84分にチェルシーのセサル・アスピリクエタが決めた同点ゴールの場面だ。

 右CKからマルコス・アロンソがヘディングで落としたボールを、ゴール前で押し込んだアスピリクエタのポジションは明らかなオフサイドだったにもかかわらず、ゴールが認められてしまったのである。

 この同点ゴールがチェルシーに逆転への気運をもたらしたのは言うまでもなく、降格圏の18位に沈んでいるカーディフにとって、明らかな誤審によって少なくとも1ポイントを奪取する絶好機を奪われたのはあまりに大きかった。

 当然、カーディフの指揮官ニール・ウォーノックは憤慨。試合終了直後、ロッカールームに引き下がろうとする審判団を仁王立ちで睨みつけた70歳の老将は、英衛星放送『Sky Sports』にフラッシュインタビューで、吐き捨てるように怒りをぶちまけた。

「あのクソみたいな判定によって落胆させられたんだ。この負けは我々のミスではない。審判団はゴールシーンを誰も見ていなかったんだ。あの場面は私が見てきた中で最も明らかなオフサイドだった。プレミアリーグは世界で最高なリーグだが、審判たちは世界で最悪なリーグだ」
 
 一体なぜ、物議を醸すジャッジが起きてしまったのか? その疑問を元リバプールのCBジェイミー・キャラガーが『Sky Sports』の人気ハイライト番組『Monday Night Football』で解説している。

 元イングランド代表CBが今回取り組んだのは、VRを使用しての独自検証だ。問題のシーンを副審の目線で解説し、CKのキッカーを務めたウィリアンの頭が死角となっていたと分析した。

「アロンソがボールに触れた時、副審はウィリアンの頭によって完全に視界をブロックされている。これではアスピリクエタのポジションを見るのは難しい。しかも、ウィリアンはキックを終えたあとにスライドしている。これではなおさら判断は厳しくなる。スピーディーな展開のなかでこのようなことが起きた場合、一体どう判断したら良いと言うんだ」

 そして、キャラガーは、審判団に同情を示している。

「私は主審と副審に同情を覚えるよ。繰り返しになるが、彼らがオフサイドと判断するのはほとんど不可能だったと思うからだ。もしも、この番組をニール・ウォーノックが見ていたら気の毒だが……。我々はこの試合のマッチコミッショナーであるマイク・ライリーとも話したが、これは極めて稀なシーンであり、その場で判断するのが非常に難しい場面だったんだよ」

 キャラガーの指摘する通り、こうした事例はたしかに稀だ。しかし、このような誤審が今後も続くようならば、プレミアリーグにもVARシステムが導入される流れに繋がっていくかもしれない。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部

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