“ブンデス最高額男”となったフランス代表DFはなぜ愛するアトレティコを離れたのか? グリエーズマンの破格の年俸が…

2019年04月03日 サッカーダイジェストWeb編集部

冬に年俸アップを要求したが…。

11歳で入団したアトレティコからの退団が決まったリュカ。ブンデス史上最高額でバイエルンへ。(C)Getty Images

 現地時間3月27日、アトレティコ・マドリーに所属するフランス代表DFのリュカ・エルナンデズのバイエルン移籍が決定した。

 契約期間は2024年6月30日までの5年間で、チームに加わるのはこの夏から。移籍金8000万ユーロ(約104億円)は、フランス代表の同僚であるコランタン・トリソが17年夏にリヨンからバイエルンへ移籍した際の4150万ユーロ(約54億円)を大幅に上回る、ブンデスリーガ史上最高額となる。

 23歳のリュカは、07年に下部組織に入団して以来、アトレティコ一筋。今シーズン限りでの退団が決定し、「すばらしい12年間を過ごした、アトレティコのフロント、監督、コーチ、チームメイト、そしてファンに感謝します。アトレティコは常に私の一部です」とメッセージを送っている。

 その生え抜きが、なぜ愛するチームを去る決断をしたのか。

 それは、同胞のエースストライカー、アントワーヌ・グリエーズマンの大幅な給与アップが関係している。

 スペイン紙『エル・パイス』でアトレティコ番を務めるラディスラオ・ハビエル・モニーノ記者は、『ワールドサッカーダイジェスト』誌3月21日号の中で、次のように綴っている。
 
「アトレティコは昨夏、バルセロナの移籍が有力視されていたグリエーズマンを引き留めるため、年俸を約3倍(税込4584万ユーロ=約60億円)に引き上げた。ただ、ラ・リーガは年俸総額に上限を設けるサラリーキャップ制を導入しているため、そのほかの選手の年俸が上げられず、一部の選手から不満が生じている。

 今冬には、リュカが現状の2倍となる600万ユーロ(約7億8000円)への給与アップを求めたが、サラリーキャップに余裕がないクラブがこれを認めなかった。そのため、同じタイミングでバイエルンからオファーが届くとそれに応じ、個人合意に至っている。まだ公にはなっていないが、リュカがこの夏にドイツへ渡るのは間違いない」

 そしてその数週間後、モニーノ記者の見立て通りに、移籍が決定したのだ。

 エースを引き留めるためだったとはいえ、チーム総額の約4分の1を占めるグリエーズマンの年俸は"別格"過ぎる。その結果、生え抜きの有望株が流出する事態となったのだ。

構成●サッカーダイジェストWeb編集部
 
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