「またユアスタでプレーしたい」初の仙台凱旋でゴールを演出! C大阪・奥埜博亮が抱いた違和感と感慨

2019年04月01日 小林健志

「ブーイングでも嬉しかったのですが……」拍手を送った仙台サポーターに感謝

移籍後初めてユアスタでプレーした奥埜。“敵地”仙台でのプレーに「精神的にちょっとは成長できたと思います」。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

[J1リーグ5節]仙台0-2C大阪/3月30日/ユアスタ
 
 仙台ユース出身で、仙台大を経て仙台トップチームに加入。長崎への期限付き移籍を経て、2015シーズン以降仙台の主力選手に成長したMF奥埜博亮。サッカーキャリアの長い時間を仙台で過ごした奥埜は、今シーズン新たな成長の場を求め、C大阪へと完全移籍。J1リーグ開幕戦では開幕スタメン入りを果たし、スター軍団の神戸相手に、豊富な活動量を生かして怯まず戦い、チームの勝利に大きく貢献するなど新天地でも活躍を見せていた。


 そして、5節・仙台-C大阪戦で、奥埜は初めて仙台の対戦相手の一員としてユアテックスタジアム仙台に乗り込んだ。「いつももらっていた声援が相手チームの応援だったのは違和感がありました」と、ピッチに入った時の思いを語った奥埜。「多少緊張しましたが、楽しんでできればと思いました」と初のアウェーチームとしてのユアスタでの戦いを楽しもうとピッチに入る。試合前の選手紹介で名前が読み上げられると、仙台サポーターからは拍手が沸き起こった。「ブーイングでも嬉しかったのですが……、反応がないのが一番悲しいと思っていました。反応があって良かったです」と拍手を送った仙台サポーターへ感謝の言葉を口にした。
 
 試合ではチームを下支えする活躍を見せた。「自分の中では思い入れのあるゲームですが、まずチームのためにと思ってやると決めていました。バランスを取るように監督から言われていて、ボランチふたりで一人が前に出た時は、一人がカバーしなければいけませんし、ソウザが比較的前へ行けていたので、後ろからサポートしてセカンドボールを拾うことを意識していました」とまずチームバランスを考え、ボランチでコンビを組むソウザが前に出る機会が多かったため、その後ろのスペースをしっかり埋めた。
 
 当然長らくともにプレーをしたMF富田晋伍や、MF梁勇基とマッチアップする機会もあったが、「試合中、声をかけてしまったら、自分が乱れそうだったので、黙々とやって、試合後にいろんなことを話せたらと思いました」とC大阪勝利のために集中して戦った。
 
 チームは前半、FW都倉賢のゴールで先制点を挙げ、72分の2点目はDF金正也からの縦パスを富田が良い状態で受けられなかったのを見逃さず、力強く富田からボールを奪い、MF清武弘嗣へパス。FW田中亜土夢のゴールへとつなげた。勝利にこだわった奥埜はかつての先輩選手との球際勝負に打ち勝ち、試合を決定づけるゴールへ結びつけ、2-0でC大阪が勝利した。
 

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