選手からは「同じサッカーなのに去年とまるで違う」の声も! 新生サンガに今いかなる変化が起きているのか?

2019年03月29日 雨堤俊祐

新生サンガはポゼッションスタイル

昨季は19位と低迷した京都だが、今季序盤戦は2勝2分1敗とまずまずのスタートを切っている。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 J2リーグ開幕から5試合を戦って、京都サンガF.Cは2勝2分1敗とまずまずのスタートを切った。昨季は19位と大苦戦を強いられた京都。今回は生まれ変わろうとしているチームの1か月点検として、目指すスタイルやその手応えなどに触れていきたい。

 
 今季は監督やコーチがほぼ総入れ替えとなり、戦術面も昨季の長身FWへのロングボールを多用するキック&ラッシュから、パスをつないで攻撃を組み立てるポゼッションサッカーへと大きく変わった。攻撃と守備でポジションを変える「可変システム」や、ボール保持時はサイドバックが内側のエリアで攻撃の組み立てに絡む「偽SB」などのトレンドも取り入れている。
 
 開幕戦から2試合は4-1-4-1を基本布陣として採用。ビルドアップの際にアンカーの庄司悦大がCB付近まで下がったり、サイドバックとサイドハーフが大外(ライン際)と内側(ハーフレーン)のエリアを使い分けたり、ボール保持率を高めるなかでチャンスを作り出そうという狙いが感じられた。
 
 一方で、2節・鹿児島戦の2ゴールは、守備から攻撃へ素早い切り替えによるカウンターから生まれている。ボールを奪った瞬間の相手守備が整っていない状況で、まずゴールを目指すという原則も当然ながら選手には要求されている。
 
 守備では、高い位置からのプレッシングと、自陣での守備ブロックの形成を、状況によって使い分けている。3節からは福岡や柏といった対戦相手の攻撃力を踏まえて5-4-1の布陣へ変更。守備時は5バックで分厚く守り、攻撃時はボランチやサイドバックに加えて、3バックの左右を務める本多勇喜や上夷克典がビルドアップに絡む場面も見られる。
 
 直近の2試合は試合終盤のセットプレーからの失点により、勝点を取りこぼしたが、ここまで新戦術を体現しながら5試合で8ポイントを獲得しており、今後への期待が持てる状況だ。
 

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