ウルグアイには完敗…タイ代表は不調気味も、国内リーグは元日本代表や各国代表クラスの参入で活況!?

2019年03月29日 佐々木裕介

代表チームは東南アジアNo.1の座から陥落も、ライバル国代表選手は続々タイリーグへ

ウルグアイ代表と対戦したタイ代表は0-4で敗戦。チャナティップも不発に。(C) Getty Images

 3月のAマッチウィーク、タイ代表は中国広西壮族自治区首府・南寧で行なわれたチャイナカップ2019に招待出場した。4か国参加のノックアウト方式で行なわれた初戦は、アジアカップで屈した中国代表相手にチャナティップ(札幌)のゴールで勝利。しかしウズベキスタン代表を破ったウルグアイ代表との決勝では0-4の完敗。直近のFIFAランク7位の強豪相手にはまったく歯が立たなかった印象だった。
 
 試合後には多くのタイ代表選手がユニホーム交換で得た"お宝"を手に満面の笑みで記念撮影に納まる様には、彼らの立ち位置を理解したのだが……。
 
 そんなタイ代表はここ数か月、今ひとつ調子が掴めず、東南アジアにおいても強さを発揮できていない。昨年末に行なわれた"東南アジアNo.1"の称号を決するAFFスズキカップでは、準決勝で格下マレーシア代表に敗れ大会3連覇は夢と消え、名誉挽回と臨んだ1月のアジアカップではASEAN最高位を得られずベスト16で敗退(ベトナム代表がベスト8入り)。
 
 また今週行なわれていた東京オリンピック出場権が掛かるU-23アジア選手権の予選では、同組となったベトナム代表に歴史的大敗(0-4)を喰らうものの、開催国枠(来年1月にタイで開催)での本選出場が決まる実状。ここまで来ると誰もが"王座陥落"を認めざるを得ない。彼らからすればプライドが引き裂かれる厳しい立場に立たされている。
 
 とはいえ、東南アジアにおける最高峰リーグはタイリーグであることに揺るぎはないだろう。ライバル国代表に名を連ねるトッププレーヤーたちは現状、タイでのプレーにステイタスを感じ集ってくるのだ。今季もフィリピンやミャンマー、ベトナムといったASEAN諸国から21名もの選手がタイリーグ1(1部/以下、T1)でのプレーを選んだ。
 
 中断期間前最後のリーグ戦2試合(ポリス・テロ対BGパトゥムユナイテッド/2部、ポート対PTTラヨーン/1部)を現場取材したのだが、"サラブレッドスター"シンガポール代表DF、イルファン・ファンディ(BGパトゥムユナイテッド)や、タイでのプレー経験が豊富なインドネシア代表DF、ヴィクター・イグボネフォ(PTTラヨーン)らは助っ人らしい際立った振る舞いを見せていた。
 

次ページ欧州、南米からの流入とともにアジア人選手も増加の流れに

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事