【名古屋】“強烈でストンと落ちる”――新たなウイニングショットを手に入れた赤﨑秀平が示す点取り屋としての輝き

2019年03月30日 本田健介(サッカーダイジェスト)

恩師・風間監督の下で躍動

サッカーダイジェスト4月11日号のインタビューに答えてくれた赤﨑。週末の3月30日には豊田スタジアムでの札幌戦を控える。写真:田中研治

 鹿島、G大阪、川崎。Jリーグでトップレベルのチームに所属してきた経歴からも分かるように、FW赤﨑秀平はこれまで高いポテンシャルを評価されてきた。実際に筑波大から鹿島に加入した2014年にはクラブの大卒ルーキーの最多得点記録を更新(5ゴール)し、翌年にはナビスコカップ(現ルヴァンカップ)のニューヒーロー賞を受賞。
 
 しかし、一昨季はG大阪に期限付き移籍、昨季は川崎に完全移籍で加わるも、目に見える結果は残せず。G大阪ではリーグ戦14試合・1得点の成績で、川崎ではリーグ戦でわずか2分の出場に止まった。
 
 その赤﨑が今オフに川崎から期限付き移籍したのが、筑波大時代の恩師、風間八宏監督が率いる名古屋だ。赤﨑は「本当に信頼している」という指揮官の下で、4節終了時点で3ゴールとアピールを続けている。
 
 光るのは「ずっと自信を持っていた」と話すシュート精度だ。特に2節のC大阪戦で試合終了間際に決めた強烈な一発は周囲の度肝を抜いた。"ズドン"と音がするようなパワー系のシュートは、GKの手元でストンと落ちてネットを揺らしたのだ。これが今の赤﨑のウイニングショットと言える。
 
「以前は無回転シュートも蹴っていたんですが、コントロールし切れない部分があって。一方でセレッソ戦のシュートは縦回転をかけているので、ボールをどのあたりで落とすのか自分で調整できます。GKは反応しにくいと思いますし、実際に(C大阪のGK)キム・ジンヒョン選手は動けていなかったですからね。今後も勝負できるシュートだなと実感しました」
 
 威力があり、精度も高く、取りにくい。素晴らしいフィニッシュはこれまでのトレーニングの賜物だと話す。
 
「今まで所属したチームにはソガさん(曽ケ端準/鹿島)やヒガシくん(東口順昭/G大阪)、(チョン・)ソンリョン(川崎)ら素晴らしいGKがいて、彼らから点を奪うために習得しました。ガンバ、鹿島、川崎、そして名古屋では練習でも普通のシュートじゃ入らないですからね(笑)」
 
 教え子の活躍に風間監督は「ようやくサッカーを思い出してきた」と目を細める。
 
 タレントが揃う今の名古屋では、絶対的なエースのジョー、FWへのコンバートで調子を上げている長谷川アーリアジャスール、さらに2列目とFWをこなすガブリエル・シャビエル、前田直輝ら強力なライバルが並ぶ。
 
 それでも今の赤﨑にはこれまで以上の躍動感がある。師弟関係を築く指揮官の下でさらなる驚きを提供してくれるはずだ。
 
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

※サッカーダイジェスト2019.4.11号より修正・転載。同3月28日発売号では、赤﨑選手のインタビューを掲載。
 
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