【U-22代表】東京五輪世代のFW争いが面白い!前田大然が示したFWとしての矜持

2019年03月27日 サッカーダイジェストWeb編集部

「僕が80分間走っても残り10分であいつは決める(笑)」(前田)

東京五輪世代随一のスピードを持つ前田。上田にはない武器でレギュラー定着を目指す。写真:佐藤博之

[U-23アジア選手権予選]U-22日本代表 7-0 U-22ミャンマー代表/3月26日/ミャンマー

 第1戦のマカオ戦では上田綺世、第2戦の東ティモール戦では久保建英が得点でチームに勢いをもたらした。そして、第3戦。ミャンマー戦でチームに流れを引き寄せたのは前田大然だった。
 
 ミャンマーで開催されているU-23アジア選手権予選。2連勝で本大会出場に王手をかけていた日本は、3戦目で開催地・ミャンマーとの対戦を迎えた。

 初戦と同じく3-4-2-1の最前線に入った前田は、キックオフ直後からエンジン全開でスタートする。

 相手のディフェンスラインに猛プレッシャーをかけてミスを誘えば、浅いラインの背後を狙ってスピードを生かした抜け出しを披露。開始早々の2分にはオフサイドによってノーゴールになったものの、三好康児のクロスにいち早く反応してネットを揺らした。
 
「あれが入っていればもっと良かったけど、初めのオフサイドになったゴールから、なにか今日はいけそうやなという感じになった」
 
 最初のチャンスで掴んだ感覚は、しっかり結果となって表われる。オフサイドの場面から5分後、GKにプレッシャーをかけると相手がキックミス。これを拾った三好からダイレクトパスを受け、ワンタッチでGKの位置を見ながら冷静に頭上を越すシュートを決めた。

 これで勢いに乗ると、その2分後には中山雄太のパスに反応。相手の背後を突き、前に出てきたGKより先に触りゴールへと流し込む。また前半終了間際には「動き出したらボールが出てくるので、常に(三好)康児くんが持ったら狙っていた」と言うように、三好のスルーパスに抜け出して3点目を奪取。前半だけで"プロで初めてのハットトリック"を達成した。
 
 振り返れば、第1戦のマカオ戦では途中出場の上田がハットトリックを果たしていた。前田も積極的にゴールを狙ったが結果として2得点。「僕が80分間走っても残り10分であいつは決める(笑)」とポジションを争うライバル以上のインパクトを残すことはできなかった。
 
 ただ、サッカーは攻撃だけがすべてではない。「僕は綺世と違って守備もできるという強みがある。それをやった上でチームが点を取れたらいい」と自身を冷静に分析。攻撃と守備の両方で結果を残すことが、さらなるアピールにつながると考えていた。

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