「アーセナルの連中が本当に大嫌いだったから…」マンUの“ジャックナイフ”が20年前の伝説の独走弾を回想!

2019年03月25日 サッカーダイジェストWeb編集部

プレミア史に残る伝説のゴールはいかにして生まれたのか?

スピードと卓越したテクニックでアーセナル守備陣をいとも簡単に出し抜いたギグスが決めた一撃は、まさにレジェンダリーなゴールだった。 (C) Getty Images

 現在ウェールズ代表の指揮官を務めるライアン・ギグスが、マンチェスター・ユナイテッドでプレーしていた現役時代に、その名を世界的に知らしめるきっかけとなったゴールがある。1998-99シーズンに行なわれた、アーセナルとのFAカップ準決勝の再試合での一撃だ。

 中3日で迎えた再試合は、まさに激闘だった。前シーズンにプレミアリーグとFAカップのダブル(二冠)を達成していたアーセナルが試合を優位に進めるものの、74分に主将ロイ・キーンが退場となって数的不利に陥ったユナイテッドも身体を張った守備で食らいつき、1-1のまま延長戦へ突入。そして、当時26歳のギグスが"奇跡"を起こすのだ。

 109分、パトリック・ヴィエラの横パスをハーフウェーライン付近でカットしたギグスは、そこから単独ドリブルを開始。そのまま力強いボール運びと巧みなステップで相手マーカーを次から次へと手玉に取り、エリア内に侵攻。最後は豪快な左足のショットで敵GKデイビッド・シーマンを射抜いた。

 結局、これが決勝弾となってファイナルへ進出したユナイテッドは、ファイナルでニューカッスルを2-0と粉砕してFAカップを制覇。同シーズンにプレミアリーグとチャンピオンズ・リーグも制して、イングランド・サッカー史上初のトレブル(三冠)を達成するのだった。
 
 イングランドのフットボール史に永遠に語り継がれるだろう伝説のゴールの舞台裏を、ギグス本人が、英紙『Daily Mail』のインタビューで赤裸々に明かしている。

「あの夜はあんまり良いプレーが出来ていなかったんだ。だからボールを"貰った"時、とにかく本能に従って、走った。そのせいか、ボールを持った瞬間から『もうゴールは大丈夫だ』と思えたよ。ゴールから自分がどれだけ離れていたかに気付いたのはだいぶ後のことだったね。更衣室に戻った時、ロイ・キーンから『来たぞ! 最高の救世主だ』とハグをされたよ。あれは忘れられないね」

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