【なでしこ】指揮官が期待する19歳のFW増矢理花 難敵を相手に存在価値を証明できるか

2014年09月25日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

「(1位通過がかかっていた)そういう試合でしっかりと決めなければ……」

記者の質問に答える増矢。「早く1点が欲しい」と胸の内を明かす。(C) SOCCER DIGEST

 佐々木則夫監督が大きな期待を寄せているストライカーだ。
 
 JFAアカデミー福島出身で、2012年のU-17女子ワールドカップに出場し、ブラジル戦で2ゴールを挙げるなどの活躍を見せて8強入りに貢献。今季からINAC神戸に加入し、開幕2戦目でスタメン出場を果たすと、3戦目には2ゴールを決めてチームを今季初勝利に導いた。なでしこリーグでは、早くも能力の高さを存分に見せつけている。
 
 そして、今回のアジア大会でなでしこジャパンに初招集され、大会直前のガーナとの親善試合で先発に抜擢されるなど、さらなる飛躍へのステップを着実に刻んで今大会に臨んだ。
 
 初戦の中国戦と3戦目のチャイニーズ・タイペイ戦に先発、2戦目のヨルダン戦には途中出場した。しかし、グループリーグ全3試合でピッチに立つも、ひとつのゴールも奪えなかった。チャンスがなかったわけではない。チャイニーズ・タイペイ戦では15分、18分と立て続けに決定機を迎えたが、ネットを揺らせなかった。とくに悔しく思っているのが、3戦目のノーゴールだ。
 
「(チャイニーズ・タイペイ戦は)得失点差がすごく重要で、ゴールを決めるか決めないかで、1位通過か2位通過がかかっていた。そういう試合でしっかりと決めなければいけなかった」
 
 この試合では、本来のFWではなくサイドハーフで起用されたが、佐々木監督は「ちょっと守備の部分でバランスが悪かった」と指摘している(途中からFWに移動)。本人も「サイドハーフをやって、戸惑うところがありました。自分の守備に行くタイミングが悪くて、後ろもいつ、どこで取りに行くのかも分からなかったと思う。自分もナホさん(川澄奈穂美)みたいに、守備のスイッチを入れられるようにしたい。それはどこのポジションでも一緒だと思っています」と反省しきりだった。
 
 本人は「守備の課題ができた」とグループリーグを振り返る。もっとも、本職の攻撃に関しては、ゴールこそなかったものの、バイタルエリアでの仕掛けやチャンスメイクでは、持ち味を十分に発揮していた。

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