「トレブル・トレブル」達成目前に、指揮官はスコットランドを去った
プレミアに舞い戻ったロジャース。レスターを指揮している彼は活き活きとした様子だ。 (C) Getty Images
2月27日にイングランドのプレミアリーグ・レスターの新監督に就任したブレンダン・ロジャースが好調だ。就任後初のワトフォード戦には敗れたものの、その後はフルアム(3-1)、バーンリー(2-1)に勝利し、2連勝を飾っている。
だが、"残された"側の気持ちは複雑だ。
レスター就任に伴い、ロジャース指揮官はシーズン途中でスコットランド・プレミアリーグの強豪セルティックを去った。この行ないにファンは「なぜシーズン終了まで待たなかったのか」「偉業を達成し、ヒーローになってからでも良かった」と、怒り、裏切られた気持ちでいる。
この出来事が起こるまで、両者は相思相愛だった。
かつてロジャースは、イングランドプレミアリーグのリバプールで12-13シーズンから指揮を執っていた。2013-14シーズンではリーグ制覇に肉薄するほどの勢いを見せたが優勝には届かず、15年秋に職を解かれた。
その後、16年初夏にスコットランド・プレミアリーグに渡り、セルティックの監督に就任する。彼は就任時、「幼いころからセルティックのファンだった」と告白。サポーターはその告白を熱狂的に受け入れ、ロジャースと、彼の手掛けるチームを愛した。さらに、ここ数年の成功により、その愛は非常に大きなものに変わっていった。
指揮官とクラブ、サポーターの関係は非常に良好で、セルティックにおけるブレンダン・ロジャースは、多くのトロフィーを獲得しただけでなく、非常に魅力的なフットボールで成功を収めていたのだ。
だが、"残された"側の気持ちは複雑だ。
レスター就任に伴い、ロジャース指揮官はシーズン途中でスコットランド・プレミアリーグの強豪セルティックを去った。この行ないにファンは「なぜシーズン終了まで待たなかったのか」「偉業を達成し、ヒーローになってからでも良かった」と、怒り、裏切られた気持ちでいる。
この出来事が起こるまで、両者は相思相愛だった。
かつてロジャースは、イングランドプレミアリーグのリバプールで12-13シーズンから指揮を執っていた。2013-14シーズンではリーグ制覇に肉薄するほどの勢いを見せたが優勝には届かず、15年秋に職を解かれた。
その後、16年初夏にスコットランド・プレミアリーグに渡り、セルティックの監督に就任する。彼は就任時、「幼いころからセルティックのファンだった」と告白。サポーターはその告白を熱狂的に受け入れ、ロジャースと、彼の手掛けるチームを愛した。さらに、ここ数年の成功により、その愛は非常に大きなものに変わっていった。
指揮官とクラブ、サポーターの関係は非常に良好で、セルティックにおけるブレンダン・ロジャースは、多くのトロフィーを獲得しただけでなく、非常に魅力的なフットボールで成功を収めていたのだ。
今シーズン、彼らは「トレブル・トレブル」と呼ばれる偉業を達成しようとしていた。「トレブル」とは、1シーズンでクラブが3つのタイトルを獲得することを意味する。リーグの優勝、リーグのカップの優勝、そしてFAカップの制覇だ。
「トレブル・トレブル」。3つを3回繰り返す、つまり3シーズン連続で3つのトロフィーを獲得する偉業を意味する。2年連続でトレブルを達成した今季のセルティックは既にリーグカップを制し、7冠を達成。リーグも首位を独走しており、偉業達成にファンの期待も大きかった。
だからこそ、サポーターはこのタイミングで去るのかという、裏切られたような気持ちを抑えきれない。
もちろん彼はいつか、プレミアリーグに戻るだろうとスコットランドのファン全員が感じていただろう。セルティックのサポーターでさえ、ロジャースはこのチームで指揮を執った数年後にプレミアに戻るだろうと予測し、それを許容する雰囲気さえあった。
事実、彼が今夏にセルティックを去るという決断を下したとして、サポーターは心の準備ができていたと思う。ロジャースの仕事ぶりを振り返れば納得できるし、憤慨することもなかった。
だが、去り方とタイミングが最悪だった。シーズン途中で置き去りにされたセルティックのサポーターは、指揮官の突然の出立を許容できるはずもなく、大きな愛情は憎しみに変わってしまった。
退任直後に行なわれたハーツ戦で、サポーターは前監督に対する辛辣なバナーを掲げた。
「永劫つづくはずの愛と平凡を引き換えにした。お前はケルティック(セルティックサポーターの愛称)ではない。裏切り者だ!」