南野拓実、まさかのインサイドハーフ起用での出来は? ザルツブルクはナポリから勝利もELベスト8に届かず

2019年03月15日 サッカーダイジェストWeb編集部

2トップの一角からインサイドハーフに移された南野

攻守に奔走した南野。ナポリの堅守に手を焼き、課題が全くなかったというわけではないが、幾度かチャンスシーンを生み出した。 (C) REUTERS/AFLO

 現地時間3月14日、ヨーロッパリーグ(EL)のラウンド・オブ16の第2レグが行なわれ、ザルツブルクはナポリとのリターンマッチに臨んだ。

 今月7日に敵地で行なわれた第1レグで0-3と完敗を喫して後がないザルツブルクは、本拠地での奇跡的な逆転に向けて、キックオフ直後から果敢なフォアチェックで敵ボールを追う。この日、2トップの右で先発起用された日本代表FWの南野拓実も積極的な動きを見せていった。

 それでも均衡を破ったのは巧者のナポリだ。14分、敵陣左サイドを果敢に攻め上がったM・ルイがグラウンダーのクロスをゴール前に供給。これが相手DFに当たって、さらにGKが弾いたところをミリクが豪快なバイシクルボレーでねじ込んだ。

 重要なアウェーゴールを奪われて、逆転に5点が必要となったザルツブルクは、なおも懸命に前線からプレスをかけにいき、25分に相手のミスから1点を返す。相手MFアランのパスを敵陣で奪ったシュボスライがゴール前にスルーパス。これに反応した主砲ダブールが冷静にフィニッシュした。

 その後も白熱の攻防戦が続いたなか、注目の南野はチームメイトからくさびのパスを引き出そうと奔走。しばらくはナポリの組織だった守りに苦戦する時間帯が続いたが、43分に右サイドからヴォルフとのワンツーパスで敵バイタルエリアに侵入して左足でのミドルシュートを放って惜しいシーンを創出した。

 結局、1-1で折り返した試合は、後半も序盤はナポリの試合巧者ぶりが際立つ。前半と同様にポゼッションをザルツブルクに譲ったが、南イタリアの雄は自陣にしっかりとブロックを構築してシュートまで待ちこませずにしたたかにゲームを進めたのだ。
 
 相手の堅守に我慢を強いられたザルツブルクも意地を見せる。65分に途中出場のノルウェー人FWグルブランドセンが味方からのクロスに合わせて勝ち越しゴールを奪った。

 59分から4-3-1-2の右インサイドハーフで起用された南野は、チームが勝ち越した65分以降もビルドアップに絡みながら決定機も生む。74分には味方の落としを受けてから右足でミドルシュートを放ったが、惜しくも相手GKメレトの攻守に阻まれた。

 チームが追い込まれた状況下であったとはいえ、普段とは異なるインサイドハーフに下げられ、よりチャンスメーカーとしての役割を86分にハーランドと交代するまで全うした南野。この日はナポリ守備陣に苦しむ場面が多かったのは事実だが、それでも決定機に繋がるシーンを創出していったのは流石だった。

 その後、ザルツブルクは91分にライトゲーフのゴールで1点を返して3-1としたものの、あと2点及ばずにタイムアップ。結局、2戦合計スコア4-3でナポリが2014-15シーズン以来、5年ぶりとなるELベスト8へと駒を進めた。
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