【識者コラム】森保Jで見たい「未招集プレーヤー」。いま試すべき旬なアタッカーは? 高評価を得る二人の17歳も候補に

2019年03月13日 加部 究

ポスト大迫の最有力だった鈴木優磨が負傷離脱。ゼロトップであれば…

3月のキリンチャレンジカップでは新たな戦力も試されそうだ。写真は久保(左上)、鎌田(右上)、安部(左下)、仲川(右下)。(C) SOCCER DIGEST、Getty Images

 ハビエル・アギーレ、ヴァイッド・ハリルホジッチと続いた前任の外国人監督に比べ、さすがに森保一監督は日本人選手たちの状況を掌握し、サプライズの少ない妥当な人選で世代交代を進めて来た。堂安律、南野拓実、中島翔哉の2列目を筆頭に、最終ラインには冨安健洋、ボランチにも遠藤航を組み込んだので、GKも加えれば、ロシア・ワールドカップから過半数のスタメンが入れ替わったことになる。さらにこれから挙げる選手たちの名前も、指揮官の構想には当然入っているはずで、おそらくコパ・アメリカの開催時期を考えれば、半数前後はフレッシュなメンバーを使う必要が出てくるに違いない。
 
 ポジション別に見ても、現状で誰もが真っ先に危惧するのが「ポスト大迫探し」だ。大迫同様にポストワークを優先すれば、最も肉薄していたのが鈴木優麿だったが、故障で離脱してしまった。いつまでもないものねだりをしていても仕方がないし、今後も大迫勇也が万全であり続ける保証はない。そこで別の選択肢を探れば、武藤嘉紀を活かした2トップ、もしくはゼロトップ型が浮上する。そういう意味では、トップ下の資質が高く、ベルギーリーグでゴールを量産してきた鎌田大地は、試しておくべき最も旬なアタッカーだ。自分でゴールを狙うエゴイスティックな面を備えながら、状況把握も的確でアシスト役も務められる。日本代表に戦術的な幅をもたらしてくれる可能性を秘めた選手だ。

 
 一方でむしろ日本代表の得点源が2列目だと考えれば、現状の3人に刺激を与える人材はしっかりと後から続いている。既に海外組に近づいているのが安部裕葵。繊細で精度の高いボールタッチとアグレッシブなメンタリティを持ち、もはやACLやJリーグが物足りないレベルに来ている。また川崎からのレンタルで、昨年は札幌、今年は横浜と、環境を変えながらもチームの中でコンスタントに違いを見せられるようになっている三好康児も、勢いだけではなく本物の充実期に突入しつつある。
 

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