【移籍市場超速報】若手逸材を巡ってローマが、ミランが、ユーベが

2014年09月19日 ジャンルカ・ディ・マルツィオ

代理人を務める母親にはユーベが先手を打って接近。

来年6月に切れるパリSGとの契約は更新せず、移籍の意向を固めているラビオ。熱意を見せるローマが、フランスU-21代表に名を連ねるこの逸材の争奪戦をリードか。 (C) Getty Images

【ローマ】ラビオ獲得でパリSGと会談
 
 ローマは本気でアドリアン・ラビオ(パリSG)の獲得を狙っている。パリSGには8月の時点ですでにコンタクト済み。来年6月に契約満了でフリーになる見通しが固いにもかかわらず、パリSGに移籍金を支払ってでもライバルを出し抜いて1月に獲得しようという目論見だ。
 
 パリSGとはこの金曜日(9月19日)にも会談を持つ予定で、クラブ間で合意が成立すれば、そこから先は代理人を務めるラビオの母親との交渉になる。こちらはユベントスが先手を打って接近しており、予断を許さない状況。確かなのは、パリSGとの契約は更新しないということだけだ。
 
【ミラン】リバプールのスソと合意済み
 
 ミランは、リバプールとの契約が来年6月で満了する93年生まれのスペインU-21代表のウインガー、スソ(本名はヘスス・ホアキン・フェルナンデス・サエス・デ・ラ・トーレ)と水面下で交渉を進め、来シーズンから年俸約100万ユーロ(約1億4000万円)の4年契約を交わすことですでに合意に達した。
 
 残るは、リバプールにいくばくかの違約金を支払って1月に獲得するか、それとも来夏にフリートランスファーで獲得するかという選択だけ。ミランは1月の獲得に向けてリバプールと話し合いに入るものと見られる。
 
【ユベントス】ボカの新星ポチェティーノに接近
 
 ユベントスは、アルゼンチンのボカ・ジュニオルスでプレーする96年生まれのMFトマス・ポチェティーノの獲得に向けて動いている。
 
 18歳のポチェティーノはイタリアにルーツがあり、現在イタリアのパスポート取得を申請中。これが認められ次第、ユベントスと来年1月からの契約を交わすものと見られている。
 
 ユーベはすでに、サッスオーロとレンタル移籍の話まで進めている模様だ。
 
【翻訳】
片野道郎
 
翻訳者からのごあいさつ
 イタリアのスポーツ専門局『SkySport』を舞台に活躍するジャンルカ・ディ・マルツィオは、移籍専門記者という新たなジャンルを独力で切り開いた草分けにして、他をまったく寄せ付けないトップランナーです。
 
 イタリア国内ではすでに数年前から超メジャーな存在でしたが、2013年1月にジョゼップ・グアルディオラ監督のバイエルン入りという大スクープをものにして、一躍ヨーロッパ中でその名を知られるようになりました。その後も、ウィリアン(当時シャフタール・ドネツク)がトッテナムからチェルシーに寝返った顛末など、イタリアにいながらワールドワイドな移籍情報をいくつもスクープしています。
 
 セリエAから下部リーグまで各クラブの会長やスポーツディレクターはもちろん、代理人からスカウトまで膨大な関係者と緊密なネットワークを持ち(iPhoneのアドレス帳には3000人以上のコンタクトが入っています)、他の記者には絶対入手できないディープな情報をキャッチ。素晴らしいのは、しっかり裏が取れるまでは決して情報を出さないところです。
 
 ご存じの通り、世界中を飛び交っている移籍関連ニュースの大半は、誰かの願望や思惑に基づくただの噂でありそれ以上ではありませんが、ディ・マルツィオが発信するニュースは、すべて彼自身のプライドがかかったガチネタであり、ハズレはほぼ皆無と言っても過言ではありません。移籍ネタに関しては、どんなにありそうな話でもディ・マルツィオが書くまでは嘘か本当かわからない、どんなにあり得ない話でもディ・マルツィオが書いたら本当、というのが、もはやこの業界の常識になっているくらいです。
 
 ツイッターのフォロワーは全世界で約30万人。日本では13年7月から『ワールドサッカーダイジェスト』誌に連載コラムを寄稿しています。先月、この連載を休載した時には、日本のフォロワーからいくつも問い合わせのリプライが飛んで来たほどの人気です。
 
 そんなディ・マルツィオのオフィシャルサイト『gianlucadimarzio.com』から、移籍関連を中心とする最新ニュースを毎日厳選してお伝えするのがこのコーナー。サプライズはあっても「ガセ」はありませんから、安心してお読みください。(片野道郎)
みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事