【ACL展望】広州恒大×広島|ルーキーの東、松本、荒木が先発濃厚!城福監督は"パウリーニョ対策"を意識

2019年03月04日 中野和也

リーグ戦の先発組で遠征に帯同しているのは野津田、松本、吉野の3人だけ

故障者/広島=林、青山、稲垣
出場停止/広島=なし

ACLグループステージ1節
広州恒大-サンフレッチェ広島
3月5日(火)/21:00/広州天河体育中心体育場
 
サンフレッチェ広島
2019年成績(J1):11位 勝点2 0勝2分0敗 1得点・1失点
 
【最新チーム事情】
●先発メンバーは総入れ替えの模様。
●荒木、東、松本大のルーキーが先発か。
●D・ヴィエイラが起用法は流動的。

【担当記者の視点】
 初戦をグループステージの大本命である広州恒大とアウェーで対戦するのは、果たしてポジティブかどうか。広州恒大は3月1日に行なわれた中国リーグの初戦を3-0で快勝。注目のパウリーニョもフルタイム出場を果たし、中国代表では伝説的な存在であるガオ・リンも83分間のプレー。果たして彼らが明日先発するかどうかはわからないが、彼らがいなくてもほとんどのポジションに中国代表(もしくはその経験者)がいる広州恒大の戦力は巨大だ。

 かつてザルツブルク(オーストリア)で活躍し、EL得点王に輝いた経験のあるアランが天津天海に移籍。2016年の中国リーグ得点王のリカルド・グラルもパルメイラスに移籍している。しかし、ブラジルの各年代で代表経験を持つFWタリスカは健在。今季、北京国安から移籍してきた中国代表FWヴェイ・シホはリーグ開幕戦で早速ゴールを決めている。
 
 城福浩監督は「我々はまだ競争のプロセスの中にあり、今回はコンディションを優先させて、心身共に準備ができている選手たちを連れてきた」と語る。実際、GK中林洋次やDF水本裕貴に井林章、MF和田拓也や清水航平といった面々は、リーグ戦に出ている選手と比較して劣っているどころか経験値では上回る。

 磐田戦で存在感を見せたドウグラス・ヴィエイラに加え、急成長中のルーキー・東俊希や松本大弥もリーグ戦での先発も視野に入っており、若者とベテランがバランスよく配置される布陣となりそうだ。
 
 リーグ戦の先発組で遠征に帯同しているのは野津田岳人、松本泰志、吉野恭平の3人だけだが、城福監督は「(個人というよりも)チームとしての良さを発揮することに特化していきたい」と語った。
 
「Jリーグで我々らしさを発揮しているかというと、やろうとしていることの針が(極端に)触れすぎている。だからまず、我々らしさを出し切ることが最大の対策だと思う。組織としての守備とボールをいかに保持していくか。ゴール前に飛びこまれるととても危険なパウリーニョの対策としても、どれだけ攻め込んでいけるかが重要となる」
 
 まだまだ完成形には遠い発展途上のチームだけに、アジア最強クラスの陣容を誇る広州恒大にアウェーで対抗するのは厳しい。

 しかし「とても厳しい戦いになるだろうが、その中で自分たちは今、ものすごい勢いで成長している。相手が誰であろうと、フットボールには変わりない。しっかりと日本を代表して戦っていきたい」という渡大生の思いをチームとして集約させること。まずはそこが、重要である。

取材・文●中野和也(紫熊倶楽部)
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