マンCがCL出場禁止と補強禁止の危機!? FFP回避の偽造工作など複数の規約違反の疑いが…

2019年03月04日 サッカーダイジェストWeb編集部

FAとUEFAは告発内容の立証へ動く

グアルディオラ監督の下で理想的なチームを作り上げているシティだが、その裏で3つの疑惑が浮上している。 (C) Getty Images

 衝撃的な情報がリークされた。

 現地時間3月2日、英紙『Daily Mail』が、プレミアリーグの強豪マンチェスター・シティが、チャンピオンズ・リーグ(CL)から締め出される危機に瀕していると報じた。

 スポーツのあらゆる裏情報を提供し、何かと話題となっている暴露サイト『Football Leaks』のネタを元にした『Daily Mail』の記事によれば、シティはオーナーを務めるシェイク・マンスール氏から直接受けた資金注入を、スポンサーからの支援と偽装するための手続きを行なっていたというのだ。

 クラブの財政健全化を図るために2014年に施行されたファイナンシャル・フェアプレー制度(FFP)の規定では、スポンサーから資金融資は該当企業が直接支払わなければならないが、オーナーからの資金をスポンサー企業に振込み、これをクラブが融資として受け取るという偽装工作は当然、規定に抵触するものだ。

 また同紙によれば、この情報がリークされる基となった証拠メールは2010年4月付のもので、当時シティのディレクターを務めていたサイモン・ピアース氏が、アブダビの投資会社に数年に渡って複数送っていたという。

 このFFP違反疑惑に加え、シティにはさらに2つの"疑い"がかけられている。

 1つは、現在ドルトムントに所属するイングランド代表MFジェイドン・サンチョを2015年3月7日にワトフォードから引き抜いた際、代理人報酬を支払ったというものだ。

 当時、サンチョは14歳であったため、国際サッカー連盟(FIFA)が定めている「16歳未満の選手の移籍に関して代理人を介することや、金銭などで誘惑するインセンティブの禁止」というルールに違反するのだ。『Daily Mail』は、この時、シティはエメカ・オバシ代理人に20万ポンド(約2900万円)を支払ったと報じている。

 そして、もう1つは、アルゼンチン代表MFのブルーノ・スクリーニ(現在リーベル・プレート所属)を2014年8月にラシン・クラブから獲得した際の手続きの内容だ。

 イングランド・サッカー協会(FA)では、選手の保有権を第三者が持つことを禁止しているが、シティはその情報を開示せずに隠蔽していたという疑惑を持たれている。

 いずれの情報も、「シティのスタッフから提供された内部文書が基になっている」とのことだが、シティは2日の夜、以下の声明を発表している。

「シティフットボールグループおよびシティの担当者・関係者によりハッキング、もしくは盗まれたとされる、"文脈の無視された素材"に関して、私たちはいかなるコメントもしない。クラブの評判を傷付けようとする意図は明らかだ」

 ただ、FAはこの情報について、「我々は、告発の内容を承知している。検討することになるだろう」と、単なるガセネタと切り捨てることなく、同クラブを調査する方針を明らかにしている。

 そしてヨーロッパ・サッカー連盟(UEFA)も、これに反応。クラブ財務統括機関の会長兼主任研究員であるイヴェス・レテルメ氏は、「告発内容が立証されれば、シティに対して最も厳しい処分を下さざるを得ない」と明言している。

『Daily Mail』は、「考えられる最悪の処分が下る可能性もゼロではない」とし、その厳罰内容とは、数年にわたる補強禁止とCL参加禁止であると指摘した。

 もし、シティがCLに参加できないということになれば、欧州サッカー界のみならず、世界のサッカー界にも影響を及ぼすだけに、今後の調査の進展に注目したい。
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