Jクラブも密かに注目する米子北の”やんちゃ坊主”。負けん気の強い個性でブレイク間近!

2019年03月04日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

原田の十八番は左サイドからのカットイン!

成立学園戦で原田は得意のカットインからチーム2点目を奪取。それ以外でも得意のドリブルで攻撃を牽引し、存在感を示した。(C)SOCCER DIGEST

 鳥取県内では9年間無敗を誇る米子北。高校年代最高峰のプレミアリーグではWESTに昨季まで2年間在籍し、一昨年の高校サッカー選手権では8強入りを果たした。プロの世界にも断続的に選手を送り込んでおり、昨年6月のロシア・ワールドカップに出場した昌子源(トゥールーズ)も同校の卒業生。昨年度は佐野海舟が町田入りを果たすなど、まさに山陰の雄と呼ぶに相応しい実績を残している。
 
 常に全国舞台へ顔を出す米子北において、虎視眈々とプロ入りを狙っている俊英が今年もいる。左サイドハーフを主戦場とする原田海(2年)だ。
 
 昨年度からレギュラーとして活躍する彼の持ち味は、俊足を生かした仕掛け。チームを指揮する中村真吾監督が「ドリブルと素走りのスピードがほとんど変わらない」と唸るほどの突破を見せており、カットインからシュートに持ち込むパターンは彼の十八番だ。
 
 3月3日に行なわれたプーマカップ群馬大会でも存分に持ち味を発揮し、成立学園戦では得意の形で違いを作る。前半15分に左サイドから中央へ切れ込むと、頭脳的なプレーを披露。「CBの重心が縦に掛っていたので、内に切れ込めば追い付けないと思った」と相手DFの逆を取って交わし、右足を一閃!チームの先制弾を決め、2-1で勝利を掴む原動力となった。
 
 そんな原田の評価は新チームになってから右肩上がりだ。世代が代わってからは「自分が活躍しないと勝てない」と感じ、責任感がアップ。昨年は技術力を持つ佐野などを頼って簡単にボールを預ける場面が目立っていたが、独力で局面を打開するプレーも目に見えて増えた。

「身体のバランスが良くなったし、ドリブルでも上手く相手の力を吸収して突破を図っていた。元々スピードがあるのも大きい」と中村監督。冬場に筋力トレーニングを増やしたことで体幹が鍛えられ、今では密かにJクラブも関心を示すほどだ。
 
 最終学年になって遠慮が消え、逞しさが出てきた原田。劇的な変化を見せたのは、彼が持っていた性格も関係している。

次ページ原田の個性を伸ばすために中村監督はいかなるアプローチを施したのか?

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