今季J1の注目株!本格ブレイクの予感漂う新戦力5選

2019年02月28日 佐藤俊

オナイウは昨季に山口で22点を挙げて、落ち着いてプレーできるようになった

開幕戦で期待を抱かせた新戦力たち。左からL・フェルナンデス、オナイウ、吉田、武富、三好。(C)SOCCER DIGEST

 Jリーグが開幕し、各チームの新戦力の顔が見えてきた。
 
 開幕戦という難しい試合の中で、しっかりと結果を出して活躍した選手、プレーで可能性を感じさせた選手は、これからに期待感が膨らむばかりだ。
 
 まず、途中出場ながら今後を感じさせた選手は、ルーカス・フェルナンデス(札幌)とオナイウ阿道(大分)だ。

 ルーカス・フェルナンデスは、スピードと突破力が持ち味。湘南戦では76分に出場すると停滞気味の右サイドからジェイと鈴木武蔵のシュートにつながるクロスを立て続けに2本入れた。2本とも相手を抜き去り、滑走してのクロスで、その精度はともに決定的なチャンスを生むなど非常に高い。守備も球際に厳しくいくタイプで、相手に対しては諦めないでしっかりとついていく。真面目なプレースタイルにも好感が持てた。周囲との呼吸が合ってくれば連携して崩すことが可能になるだろうし、単独突破もできる。ちなみに右シャドーはまだ競争中だが、そのポジションでのプレーも可能だ。どちらのポジションにしろ、彼が右に鎮座すればチャナティップがいる左サイドの攻撃とのバランスが取れて札幌の脅威になりそうだ。
 

 オナイウ阿道は、U-23日本代表時からフィジカルの強さ、スピード、技術が高く評価されていた。しかし、プレーにムラがあり、シュートの精度がもうひとつだった。それが昨年、山口で22点を挙げて、落ち着いてプレーできるようになった。鹿島戦、69分にGKからのキックをチョン・スンヒョンと競り合う中、うまく入れ替わり、中央から走ってきた藤島憲明にアウトサイドで絶妙な弧を描くパスを繰り出し、藤本の決勝ゴールをアシストした。全力で走りながら周囲の状況を見て、藤本の足もとにピタリと届くパスは非常に質が高かった。また、86分には長い距離を走り、藤本のシュートをしっかり詰めていた。この試合はシュートはゼロ本だったが運動量が増え、高い身体能力を活かしたプレーは、迫力がある。自分がゴールを狙うのはもちろん、前線からボールを追い、守備でも貢献している。

 吉田豊(名古屋)は、鳥栖に4-0と快勝した試合で左SBとして出場。守備では個々に対しては粘り強く対応し、最終ラインでは息の合ったラインコントロールを見せ、とても新加入とは思えない安定感を出していた。攻撃では左サイドからの精度の高いクロスを入れるのはもちろん、無尽蔵のスタミナで積極的に前に駆け上がり、周囲と絡みながら攻撃を演出した。ジョーの2点目となったヘディングゴールは、吉田の正確なクロスから生まれている。それは今後、名古屋の大きな武器になっていくだろう。最終ラインの安定感がなかった昨年の名古屋にとって、吉田の加入はウイークポイントをひとつ潰したことになり、名古屋の上位進出のキーを握るひとりだ。
 

次ページ三好は縦への攻撃一辺倒だった横浜に広がりをもたらしている

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