【G大阪】開幕戦で見せた「諸刃の剣」。ツネ&ヤットはいかなる打開策を見出したのか

2019年02月26日 志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

敗戦にあってもハッキリ示した「ハイプレスと縦に速い攻撃」

政権2年目となる今季の開幕戦は、横浜に2-3で敗れた。宮本監督はここからどう修正を施すのか。写真:金子拓弥(サッカーダイジェスト写真部)

 ガンバ大阪の開幕戦は、終わってみれば確かに「がっかり」した印象が残る。
 
 ホームに横浜F・マリノスを迎え、開始早々に小野瀬康介が先制ゴールを挙げて幸先の良いスタートは切った。だが、そのわずか2分後にクロスのこぼれ球を仲川輝人に押し込まれて同点とされる。34分に三好康児に強力なミドルを、38分にはエジカル・ジュニオにループショットを決められ逆転された。いずれも横浜のパスワークに振り回され、守備網を切り崩された失点だ。
 
 88分に相手のミスから藤春廣輝が一矢報いるも、手遅れだった。シュート本数、10本対24本が示すように、横浜の猛攻の前に屈した。中盤の汗かき役である高宇洋の「思った以上に相手を捕まえるのが難しかった」という言葉からも、苦心ぶりが窺える。
 
 厳しい船出となったが、それでも今後への期待が膨らんだプレーがふたつあった。ひとつ目は、先制点を生み出した前線からのプレスである。

 
 中盤で喜田拓也にチェイシングした遠藤保仁がパスを引っかけると、ルーズボールがチアゴ・マルチンスに渡る。その瞬間、遠藤は「行くよ」と言わんばかりに相手GKに右手で指をさし、それにファン・ウィジョが呼応。狙い通りにバックパスをカットしてシュートを放つと、ポストの跳ね返りを小野瀬康介が詰めた。実に組織的で、綺麗に連動されたプレスだ。
 
 遠藤も手応えを口にする。
 
「相手も後ろ向きでしたし、前から行くことは多少なりともみんなも思っていたと思うので。相手のミスもありましたけど、積極的に前からプレスを掛けるのはこれからも大事になってくると思うので、それをチーム全体で上手くやれるようにしたいですね」
 
 ふたつ目は、縦に速い攻撃だ。17分、高のボール奪取から小野瀬→ファン・ウィジョへと繋いでゴールに迫ったショートカウンターは象徴的な形だった。

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