「彼が去るのを嘆く選手はいない」ピュエルの解任は当然の措置? レスターOBがチームの内情を暴露!

2019年02月25日 サッカーダイジェストWeb編集部

レスターを「平凡」なチームへ戻してしまったピュエル。

沈着冷静で、緻密な戦略家でもあるピュエルのスタイルは、良くも悪くもポジティブ思考なレスターにマッチしなかったようだ。 (C) Getty Images

 現地時間2月24日、イングランド・プレミアリーグのレスターはフランス人監督のクロード・ピュエルを解任したことを発表した。

 ピュエルは2017年10月に当時の指揮官クレイグ・シェイクスピアの解任を受けてレスターに就任。初年度は降格圏に沈んでいたチームをリーグ9位にまで引き上げたが、ヨーロッパリーグの出場権獲得が期待された今シーズンは、志向するポゼッション・サッカーが浸透せずに降格圏から勝点8差の12位と低迷。23日のクリスタル・パレス戦で1-4と敗れ、直近の公式戦7試合で6敗目を喫したことで、ついに職を追われたのである。

 ただ、この解任は電撃と呼べるものではなく当然の発表だとも言えるだろう。

 プレミアリーグでの通算56試合での戦績は19勝13分け24敗と黒星が先行。サポーターやメディアから「退屈」と皮肉られた戦術に、2015-16シーズンに奇跡のリーグ制覇を成し遂げた際のアグレッシブさは見られず、誤解を恐れずに言えば、ピュエルの下でレスターは「平凡」なチームへと戻ってしまったのだ。

 また、ピュエルは選手との関係性も構築できていなかったことが指摘されている。それを裏付けるのが、今年1月に現役を引退した元レスターのDFロベルト・フートのコメントだ。
 
 奇跡のプレミア制覇を成し遂げた時の一員でもあり、ピュエルの下では約7か月間にわたってプレーしていた元ドイツ代表CBは、「ピュエルと選手たちは真反対を向いていた」と、英公共放送「BBC」のラジオ番組内で、チームの内情を明かした。

「僕たちは常にエネルギッシュなことをやろうとチーム内で話していて、それまでの監督とも本当にポジティブな雰囲気でやれていた。だけど、彼(ピュエル)がやってきたことでその雰囲気が変わってしまったんだ」

 さらにフートはピュエルを辛辣に酷評している。

「何か物事がうまくいかなくなった時には、チームの誰かが正直にそれをしなくちゃいけない。何がいけないのかをたとえ嫌われようとも言わなきゃいけない。でも、今のレスターはそれを誰も出来ていないように見える。それはピュエルが批判の矢面に立って、そうしたことを一切しないからだろうね。

 今のチームには目標をハイスタンダードなものに設定してくれる人が必要なんだ。僕が思うにピュエルがいなくなるというニュースを聞いて、ロッカールームにそのことを失望するような選手は多くないと思うよ」

 気になる後任についてレスターは当面の間、ファーストチームのヘッドコーチだったマイク・ストーウェルを暫定監督にすると発表しているが、地元紙『Leicester Mercury』によれば、チームは現在セルティックで指揮を執っているブレンダン・ロジャースの引き抜きを画策中で、今シーズン中の電撃招聘も狙っているという。

 降格圏も間近に迫るなかで指揮官交代という判断を下したレスター。はたして、その決断は正しかったのか。それは今後のパフォーマンスでもって証明されるはずだ。
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