191センチで左利き。川崎U-18の規格外CBが示した無限大の可能性【関東トレセンリーグU-16】

2019年02月25日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

大型CBを変貌を遂げるきっかけになった出来事は?

山梨県選抜戦で神橋は191センチのサイズを利した守りと左足のフィードで存在感を発揮。今後の成長を期待させる好パフォーマンスだった。(C)SOCCER DIGEST

 2002年以降生まれの有望株が集う関東トレセンリーグU-16において、ひと際目を惹く逸材が神奈川県選抜でプレーしていた。大型CBの神橋良汰(川崎U-18/1年)だ。
 
 登録では189センチになっているが、身長はまだまだ伸びており現時点で191センチ。しかも、貴重な左利きのCBでフィードの精度も高い。最終節で迎えた山梨県選抜との大一番でも空中戦の強さと正確なビルドアップで貢献し、1-0の勝利に貢献。5連覇を達成したチームにおいて、図抜けた存在感を発揮した。世界的に見ても稀有なタイプであり、今後の成長が楽しみな逸材であるのは間違いない。
 
 ハイパフォーマンスを見せた本人も「無失点で勝てたので本当に良かった」と自身の出来に満足感を示した。一方で、現時点では県選抜の一員に過ぎない。過去に世代別代表に招集された経験は一度もなく、クラブでも昨季はほとんどトップチームでプレーできていないのだ。
 
 神橋は中学時代から川崎に籍を置き、U-15チームでは3年次にCBのレギュラーとして活躍。卒業時点で身長も188センチまで伸びており、高さを生かした守りは大きな伸びしろを感じさせていた。ただ、その身長とは裏腹に筋肉は未発達。当たり負けする場面もしばしばあり、U-18チーム昇格後はいきなり右太ももの負傷で半年間の離脱を余儀なくされた。
 
 ただ、そうした状況が神橋にとって転機となる。

 リハビリ期間中、当然ボールは触れず、下半身の強化もできない。最初はサッカーができず、気持ちが萎えていたという。だが、元日本代表の本田圭佑が出演した番組で「逆境になった時にこそチャンス」と説いていたのを見て、神橋は一念発起。「身体が強くなかったので、上半身を第一に継続してトレーニングをしました」という本人の言葉通り、離脱中に筋力強化に取り組んで身体は一回り大きくなった。
 
 こうした取り組みは復帰後に効果として現われる。当たり負けする場面は目に見えて減り、空中戦でも抜群の強さを発揮するようになったのだ。元々、祖父が日本でも有数の水泳競技者、父親も野球でプロ入り手前まで行ったことがあるスポーツ一家の生まれ。身体的なポテンシャルには定評があり、鍛えていけば十分に伸びる土壌があったのだ。それだけに半年間のリハビリ期間は、フィジカルを鍛える場として大きな意味を持った。

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