もっとも"効果的"な補強をしたクラブは?優勝候補は川崎、浦和、鹿島の3強だが…

2019年02月22日 飯尾篤史

良い補強をしたというイメージが真っ先に浮かぶのは…

守備陣に新助っ人を迎えた清水や攻撃陣に厚みを加えたFC東京、また大型補強をした神戸の3クラブが非常に興味深い。(C)SOCCER DIGEST

 編集部からのお題は"効果的な"補強をしたチーム――。ビッグネームを獲得したチームでも、大型補強を敢行したチームでもない、というのがミソだろう。
 
 もちろん、ネームバリューやインパクトを考慮すれば、FWダビド・ビジャを獲得したヴィッセル神戸、ゼロックス・スーパーカップでさっそくFWレアンドロ・ダミアンが存在感を放った川崎フロンターレ、FW杉本健勇、DF山中亮輔、DF鈴木大輔、MFエヴェルトンら実力者を獲得した浦和レッズの名前が浮かぶだろう。
 
 でも、それでは面白くない――というのが、編集部の意図のはず(だと勝手に解釈)。どのチームもそれなりに効果的な補強をしているのは承知のうえで、そのなかでも「なるほど!」とうならされた補強を行なった3チームを挙げてみたい。
 
 良い補強をしたというイメージが真っ先に浮かぶのが、清水エスパルスだ。昨季、ヤン・ヨンセン監督を迎えた清水は北川航也、ドウグラス、金子翔太の3人がふた桁得点をマークした。これは優勝した川崎でも成し得なかった記録で、クラブの歴史においても1998年に澤登正朗、オリバ、アレックス(のちの三都主アレサンドロ)の3人が記録して以来、実に20年ぶりのことだった。
 

 その3人に左サイドハーフの石毛秀樹を加えた前線のカルテットはそのままに、彼らを支える中盤から後ろをしっかりと補強した。ボランチのヘナト・アウグストとセンターバックのヴァンデルソンをブラジルのクラブから、右サイドバックのエウシーニョを王者・川崎から迎え入れたのだ。
 
 ドウグラスが不整脈のために出遅れたのは誤算だったに違いないが、その穴は鄭大世が埋めるはず。ポジション別の選手層にバランスが取れたのは間違いない。
 
 続いて2チーム目は、FC東京だ。昨季の34失点は川崎の27失点に続き、サガン鳥栖と並んでリーグ2番目に少ない数字だった。しかし、39得点は下から4番目の少なさだったため、長谷川健太監督は今季、「失点数はそのままで、得点数を15増やす」と目論んでいる。それゆえ、補強ポイントも明確で、清水とは反対に、攻撃陣を補強した。
 

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