「戦術を問題視するのは間違いだ!」 チェルシー指揮官が相次ぐ批判を一蹴! 解任説についても言及

2019年02月21日 サッカーダイジェストWeb編集部

「時間がない」と不満を吐露する場面も…

批判が渦巻くサッリ。しかし、サッカー界屈指の知将はそれを意に介していない。 (C) Getty Images

 不振に喘ぐブルーズの指揮官が自軍の問題点を指摘した。

 現地時間2月20日、チェルシーのイタリア人指揮官マウリツィオ・サッリは、翌日に行なわれるヨーロッパリーグのラウンド・オブ32の第2レグに向けた会見に出席。その場で「勝つことが唯一の解決策だ」と口にした。

 チェルシーは大不振の真っ只中にいる。1月20日のプレミアリーグ第23節でアーセナルに0-2、続く第24節でボーンマスに0-4の完敗。そして、第26節のマンチェスター・シティ戦で0-6の歴史的惨敗を喫した。

 さらに今週月曜日に行なわれたFAカップ5回戦で、マンチェスター・ユナイテッドにホームで0-2と敗れたチームに対しては非難が殺到。サポーターはスタンドから「サッリ・ボールはクソッタレ」と野次を飛ばし、メディアもサッリの解任論を提唱。英紙では、幾多の後任候補が紙面を飾るようになっている。

 英紙『Daily Mail』など複数の英メディアによれば、サッリは選手のモチベーションを上げられず、その戦術的すぎるアプローチが中心選手をいら立たせており、関係性が修復不可能な状態にあるという。さらに上層部からの援護も失うなど、60歳のイタリア人指揮官は孤立しつつあるという。

 そんな渦中のサッリは、20日に開かれた会見で、自身の推奨する戦術に対する批判を一蹴した。

「戦術やシステムを問題視するのは間違いだ。私はよく知っている。負けているときにはストライカーを入れなければならない。勝っているときにはディフェンダーを入れなければならないことをね。

 しかし、私は違った方法でサッカーを見たいのだ。

 私は考えなければならない。どうすれば改善できるのか、すぐに改善できるのかどうか、をだ。結果は全てではない。ユナイテッドとの試合では、我々のプレーは徐々に良くなっていった。特に前半はね。大きな問題を解決しなければならないことは分かっている」
 また、クラブ上層部のロマン・アブラモビッチ会長やマリアナ・グラノフスカヤ強化部長とは、「会っていない」とも語り、解任に向けた話し合いをしていないことを明かしたサッリは、チーム改善のために必要なことを自ら語っている。

「3、4試合を連続して勝ち取る必要がある。それが唯一の解決策だ。ファンの欲求不満は理解できる。彼らは勝つのに慣れているからね。我々は今苦しい状況にある。だからとてもよく理解できる。

 もちろん現時点では4連勝することは非常に困難だ。しかし、サッカーでは一晩で全てが変わることがある。よく知られているようにね。まずは第一にいいパフォーマンス、良い結果、そして何でもできるのだという自信を持つことだ。

 問題は分かっている。時間がないのだ。解決しようとはしているが、あまりに難しい。選手と話し、ビデオで間違いを避けられるようにしている。3日毎にプレーしなければならず、ピッチでの時間がない」

 プレミアリーグの過密日程に不満を漏らしながらも、苦境を乗り越えることを誓ったサッリは、「私は、『これからも長い間、チェルシーの監督でいる』。そう考えられなければならない。さもなくば、働くことなんてできない」と言い放ち、解任論にも強気に反論した。

 不安定な状況が続くチェルシーをサッリは立て直せるのか。今週末に行なわれるシティとのリーグカップ決勝は大きな注目を集めそうだ。
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